第168話 「稼げるライター”は何が違う? 単価交渉とポートフォリオの話」
【次回予告】
次なる挑戦:ライティングに“金融ジャンル”を加える!?
自分の経験×リサーチで、得意分野を「武器」に変えられるか?
次回:「“生活防衛資金とは何か”を、時給500円で説明する仕事」
──たった100円。
でも、自分の言葉で稼いだ初報酬だった。
それから健太郎は、
同じような体験談記事やアンケート系の案件に次々と提案し、
いくつかの小さな受注を積み重ねていった。
1記事200円。
3000文字で400円。
「できればリライトお願いします」「この文体で2本追加を」──
依頼主は親切だが、追加報酬があるとは限らない。
ある日、タイムトラッキングアプリで稼働時間を記録してみた。
結果は、時給200円弱。
(……このままじゃ、ジリ貧だ)
クラウドワークスの画面を眺めながら、健太郎は思った。
「これだけじゃ、生活の足しにもならない」
──じゃあ、どうすれば単価は上がる?
答えは、検索してすぐに出てきた。
「実績」「専門性」「ポートフォリオ」──この3つ。
◆
実績は、これから積むしかない。
でも「専門性」?「ポートフォリオ」?
何をどうしたらいいのか、よく分からない。
ふと、あるライターのポートフォリオページを開いた。
プロっぽい自己紹介。
ジャンル分けされた記事一覧。
過去の納品実績と、レビューのスクショ。
(……これ、完全に“営業資料”だ)
会社を辞めたとき、履歴書と職務経歴書を出した。
あれと同じように、フリーランスも「自分を売る資料」が必要なんだ。
◆
健太郎は手帳にこうメモした。
・得意分野は何か?(実体験に基づいたもの)
・過去に書いた記事で評価が高かったものは?
・ブログやKindle出版の内容は使えないか?
・見た目も整えた方がいい(Canva使おう)
Canva──そういえば、Kindleの表紙もそれで作ったな。
無料でおしゃれなデザインが作れる。
(とりあえず、記事サンプルを3本、まとめてPDFにしよう)
この日から健太郎は、“自分という商品”を磨く工程に入る。
案件に応募するだけでなく、自分の実力を「伝える」準備を始めた。
◆
夜。コーヒー片手に、健太郎はふと呟いた。
「誰かの役に立つには、“見せ方”も必要なんだな」
──中身があるだけじゃ、評価はされない。
──価値があっても、“伝わらなければ存在しない”のと同じ。
Kindle出版の時にも感じたことを、また思い出す。
『“売れる技術”は、努力+工夫。
クラウドワークスもまた、戦場だ。
実力を磨き、武器を整え、オレは“値段”を上げていく。』
小さな案件が、確かに健太郎を鍛えていた。
やがて訪れる「高単価案件」への道
──その準備が、今ここにある。