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第166話 「副業って、みんなそんな簡単に稼げるの?──クラウドワークス、初潜入」

「──やるしかないだろ」


Kindleの出版を終えた健太郎は、ノートPCの前でつぶやいた。


 


本を1冊売った。レビューももらった。

けれど、印税はたったの175円。


「言葉」でお金が生まれることは証明できた。

でも、生活を立て直すには──当然ながら、もっと稼ぐ必要がある。


 



 


『初心者 副業 スキルなし』


Googleで検索すると、真っ先に出てきたのが──


クラウドワークス


 


(聞いたことはあったけど、なんか“プロ用”ってイメージあったんだよな……)


しかし、実際に覗いてみると、意外と敷居は高くなかった。


「未経験歓迎」

「初心者OK」

「簡単作業」


──そんな言葉が、並んでいた。


 


(これなら、オレにもできるかもしれない)


健太郎は登録ボタンをクリックした。


 



 


プロフィールを記入する。

自己紹介を考える。

過去の実績? ない。資格? 特になし。


でも、書いた。


「現在、フリーで活動中。会社員経験10年で、誠実な対応を心がけています。

ブログ執筆経験あり。リサーチ系や文章作成に意欲的です!」


 


応募できそうな案件を探してみる。


「体験談募集」「ブログ記事作成」「文字起こし」──


どれも一見簡単そうに見えるが、単価は安い。


「1000文字で300円」「3000文字で500円」「1記事500円×5本セット」


 


(……思ってたより、だいぶ安いな)


 


ふと、心の中に“現実”が湧いてきた。


──こんなんで、本当に稼げるのか?

──時間かけても数百円じゃ、割に合わないのでは?

──そもそも、オレなんかに仕事来るのか?


 



 


それでも、応募してみた。


案件:ブログ記事作成(体験談形式)

テーマ:「退職から3ヶ月、生活防衛資金で乗り越えたリアル」


──これなら書ける。まさに、今のオレじゃないか。


 


提案文を書く手が震える。


「このテーマなら誰よりもリアルに書けます」

「記事の構成や誤字脱字には細心の注意を払います」

「読者目線を意識し、読みやすさを大切にします」


 


送信ボタンを押す瞬間、呼吸が浅くなった。


(……頼む、通ってくれ)


 



 


その日は、他にも2件応募して就寝。


布団の中、天井を見上げながら、健太郎は思った。


(副業って、思ってたより“現場感”あるな……)


派手さもキラキラもない。

でも、確実にここは「戦場」だ。


 


そして、心の奥でひとつだけ確信していた。


「やれるかどうか」は、行動した者にしかわからない。


 


──副業、始まった。

【次回予告】


「採用通知」?「お祈りメール」?

副業市場は、甘くない。それでも健太郎は──

次回:「文字単価0.03円でも、オレには価値があった」

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