第17話「自由を守る者たち」
──自由集会の翌日。
ヘルマネ村は、
まるで別の村のように活気づいていた。
村人たちは、
自分たちで契約を見直し、
通信ギルドを乗り換え、
固定費をどんどん削減していった。
「やっと……余裕ができた……」
「生活が、楽になった!」
「子供たちのために、貯金もできるかもしれない!」
希望の声が、村中に響き渡っていた。
(……これだ)
俺、リベル・アーツは、
静かに胸の中で誓った。
(これこそ──自由だ)
──しかし。
ギルド側は、黙っていなかった。
その夜。
村の役所に、
ギルド側の刺客たちが押し寄せた。
黒ローブをまとった通信士たちが、
怒号を上げる。
「この村は契約違反だ!!」
「ギルドへの義務を怠った者たちは全員、違約金を支払え!!」
「応じなければ、村ごと営業停止にする!!!」
脅し、恫喝、そして圧力。
(くっ……)
俺たちの手に汗がにじんだ。
まだ、
まだ終わっていない──!
「──黙れ」
その時。
村の中央で、
エマさんが杖を突きながら、ゆっくりと立ち上がった。
そして、
手に持った一枚の書類を掲げた。
【ヘルマネ村・独立宣言書】
【通信自由化の宣誓】
【ギルド専属契約解除通告】
すべて、
正式な手続きに則った、法的な書類だった。
「ワシらは……
"自分たちで選んだ"んじゃ」
エマさんの声は震えていたが、
誰よりも力強かった。
続いて、ハルクが叫んだ。
「オレたちは自由だ!!」
ミーナも叫ぶ。
「もう、怖くない!!!」
村人たち全員が、
次々と拳を突き上げた。
「自由だ!!!」
「自由を手に入れたんだ!!!」
黒ローブたちは、顔を引きつらせた。
そして、
渋々、撤退していった。
──ギルド、完全敗北。
ヘルマネ村、完全勝利!!!
夜空には、無数の星が輝いていた。
俺は、ハルクとミーナと並んで、空を見上げる。
「やったな、リベルさん」
「うん……本当に、自由になれたんだね……!」
涙ぐむ二人を見ながら、
俺は静かに頷いた。
(──でも、これがゴールじゃない)
(ここからが、本当のスタートだ)
丘の上には、
いつものように金色のカーペットが浮かんでいた。
バリ師匠が、にやりと笑う。
「よくやったな、リベル・アーツ。
──お前はもう、立派な"自由の伝道者"だ」
俺は、拳を握った。
「まだまだ……
これからです」
バリ師匠は、満足げに頷き、
夜空に溶けていった。
こうして。
減るマネー村──
ヘルマネ村は、
自分たちの力で、
未来を選び取った。
──自由は、奪われるものじゃない。
自ら、掴み取るもの。
それを、俺たちは、
この村で確かに証明したのだ。
そして──
リベル・アーツの旅は、まだ続く。
さらなる自由を求めて、
新たな地へ──!
【To be continued...!】