第148話 「育まれる自由──それぞれの選んだ道へ」
──リベシティ、自由講座第38期生・入学初日。
講堂には、色とりどりの生徒たちが集まっていた。
孤児、旅人、元ゼロ派、元帝国の貴族子弟……
背景も文化も思想もバラバラ。だが、ひとつだけ共通していることがある。
──全員、自分で“ここに来る”と選んだ者たちだった。
ルネは、講義が始まるまでの時間、広場で1人座っていた。
その時、ひとりの少女が隣に腰を下ろす。
彼女の名は──ソフィア・ノミア。
宗教国家アヴァ・ノミアの神官の娘でありながら、
「神に祈る自由も、自分で考える自由も持ちたい」と願い、ここに来た。
ソフィア:「……はじめまして。あなたも、怖いの?“選ぶこと”」
ルネ:「……怖い。
ずっと誰かに決めてほしかったし、責任取りたくなかった。
でも、あの人の言葉がずっと頭に残ってて──
“選んだら、意味が生まれる”って」
ソフィア:「……それ、いいね。私、今日がその日になればいいな」
ルネ:「俺も……そう思う」
講義開始:テーマ「選択と責任のワークショップ」
講師は──ミーナ。
「こんにちは〜、ミーナ先生ですっ。
今日のテーマは、“誰かのせいにしない生き方”よ!」
「たとえばね、ここに選択肢が三つあるとする。
『稼ぐ』『使う』『誰かに預ける』──あなたはどれを選ぶ?」
ザワザワとした空気の中、ルネは手を挙げた。
「……“稼ぐ”。でも、全部試して、間違ってもいいって思いたい」
ミーナは目を細めて微笑む。
「うん、それでいい。
ここでは、“間違える自由”があるからね」
授業が終わったあと、ルネとソフィアは校舎の裏庭で空を見上げていた。
ソフィア:「ねぇルネ。
私たち、何者でもないけど、
この街で、少しずつ“誰か”になれるのかもね」
ルネ:「……この街が、“選ばせてくれる”からだな。
失敗しても、笑われない。やり直せる。
それって──“すごい”ことだ」
【スキル成長:ルネ&ソフィア】
《自由の力・萌芽》──選ぶという行為に“希望”と“関係性”が芽生え始める。
その夜、リベシティの広場には、星灯りとキャンドルが灯されていた。
それは“建国記念日”──
かつてリベル・アーツたちが選び、築いた「選択の自由」が街になった日。
スピーチ壇上に立ったのは──
旅先から久々に戻った、“かつての建国者”だった。
リベル:「自由ってのは、贅沢じゃない。
生きるってことの“前提”だ。
今日、ここにいる君たちが──
それを信じてるってことが、もう十分すごい」
そして彼は、壇上から微笑みながら言う。
「今日がいちばん若い日やで」
【To be continued…!】