第15話「暗闇からの挑戦状」
──数日後。
ヘルマネ村には、
再び、重苦しい空気が立ち込めていた。
広場の掲示板に、赤文字で貼り出された文書。
【緊急告知】
不当乗り換え及び通信ギルド妨害行為が発覚!
犯人リベル・アーツ一派は、村の秩序を乱す危険人物と認定!!
速やかに関わりを断つよう通達する!!!
「……なっ……」
ハルクが、顔面蒼白で掲示板を睨みつける。
ミーナも、震え声で言った。
「こんなの、嘘だよ……!
リベルさんは、何も悪いことしてないのに!!」
俺は、静かに拳を握った。
(──来たな)
ギルド側の本気の裏工作。
"自由の芽"を摘むため、
俺たちを"反逆者"に仕立て上げる作戦だ。
さらに。
MVNOギルドの店舗前では、
謎の通信障害が発生していた。
タブ石が急に繋がらなくなる
乗り換え契約が手続き不能になる
デマが村中に広がる
「やっぱり安物ギルドはダメなんだ……」
「大人しくヘルマネ通信使ってた方が安心だよな……」
村人たちの心に、再び"不安"の影が広がり始めていた。
夜。
希望の家(リベルが勝手に居ついた空き家)に集まった俺たちは、
無言のまま地図を睨んでいた。
「……どうする?」
ハルクが、ぽつりと呟く。
「このままじゃ、またみんな……
諦めちまう……」
ミーナが、目に涙をためながら言った。
「リベルさん、
私たち、間違ってないよね?」
俺は、静かに答えた。
「──間違ってない。
でも、伝え方を変えなきゃいけない」
二人が顔を上げる。
俺は、胸ポケットから一枚の紙を取り出した。
それは、
正式な乗り換え手続き証明書。
契約違反なし
移籍条項に則った正当な手続き
ギルド側の妨害行為の記録ログ
すべて、しっかり証拠として押さえてある。
(バリ師匠が言ってた──
"自由を守るには、証拠を握れ"って)
俺たちの反撃作戦は、こうだ。
【1】まず、正式な証拠書類を村人たちに公開!
【2】さらに、格安ギルド代表と連携して「正式提携宣言」!
【3】最後に、村人たち全員を集めた**"自由集会"**を開催!!
そこで、リベル・アーツが
堂々と「本物の自由とは何か」を語る!!
ハルクが拳を握った。
「やろうぜ、リベルさん」
ミーナも頷く。
「私たち、負けない!」
俺は、静かに立ち上がった。
「──自由のために、戦おう」
その時。
空に、ふわりと金色の光。
バリ師匠のカーペットが、
夜空を滑るように流れていった。
「……よくぞここまで来たな、若者たちよ」
師匠の声が、風に乗って届く。
「自由とは、
たった一人が叫んでも、
誰か一人が答えることで、世界が変わる」
「恐れるな。
──信じろ、自分たちの選んだ道を!!」
その言葉に、
俺たちは改めて誓った。
(絶対に……
この村に、自由の旗を掲げてみせる!!!)
【To be continued...】