第14話「自由の証明」
──朝日が昇る頃。
俺たちは、広場の隅っこに、
小さな屋台を組み立てた。
「リベル式・リアル自由体験ブース」
ハルクが手作りした看板に、
ミーナがポスターを貼る。
そこには、大きな文字でこう書かれていた。
【通信費半額!生活が楽になるって本当!?】
【乗り換え成功者インタビュー!】
俺たちが選んだ反撃手段は──
**「リアル体験の発信」**だった。
まず、最初の成功者、ハルクの叔父・ダンさんが登壇する。
緊張しながらも、
ダンさんは、素直な言葉を絞り出した。
「オレ……
タブ石のローンも、追加料金も……
わかってなかった……
だけど、リベルさんが教えてくれて、
月の支払いが、半分以下になったんだ」
「……生活が、楽になった」
「家族と、笑える時間が、増えたんだ」
その言葉に、
広場に集まった村人たちが、ざわ……とざわめく。
誰もが、
「本当に?」と半信半疑だった顔が、
少しずつ変わっていく。
(──そうだ)
俺は、心の中で呟く。
不安を打ち消すのは、言葉じゃない。
リアルな希望だ。
続いて、
他にも数人、乗り換えた村人たちが、体験を語る。
「追加料金に怯えなくなった」
「子供の教育にお金を回せるようになった」
「本当に必要なものにだけ、金を使えるようになった」
少しずつ、少しずつ、
広場の空気が変わっていく。
目を伏せていた村人たちが、顔を上げ始めた。
──その時。
ギルド側の手先たちが現れた。
黒服の男たちが、大声で叫ぶ。
「騙されるな!!!」
「安物ギルドは、緊急時に役に立たないぞ!!!」
「命より金を取るのかぁああああ!!!」
広場が、ざわつく。
だが──
その中で、一人の老婆が、静かに立ち上がった。
ハルクの祖母、エマさんだった。
震える手で、杖をつきながら──
はっきりと言った。
「ワシらは……
自由に生きたいんじゃ!!」
広場が、静まり返る。
エマさんは続けた。
「若いもんが、怖がりながら生きるのを、見たくない。
ワシらが縛られとったせいで、子供らが不幸になるのは──
もう、まっぴらじゃ!!」
ハルクとミーナが、涙ぐみながら頷く。
村人たちが、ざわざわと、
でも、確かに──
"希望"を取り戻していく。
(これだ……!!)
俺は、心の中で叫んだ。
(これが、本物の自由への第一歩だ!!!)
ギルドの男たちは、
焦ったように叫びながら、撤退していった。
ヘルマネ村に、
小さな──けれど確かな、"革命の風"が吹き始めていた。
夜。
丘の上から村を眺めながら、
俺は拳を握った。
(絶対に、
この村を、自由にしてみせる!!)
──リベル・アーツの、
ヘルマネ村改革編、加速する!!!
【To be continued...】