第132話 「信じる力──選ぶ痛みの、その先へ」
──バルドの裏切りから3日後。
リベシティ全域に緊張が走っていた。
“信じる”という行為すら疑われ始め、
市民たちは互いに目をそらし、街は静かに冷え込んでいた。
行政塔にて、リベルは一人、古びた地図を見つめていた。
それは、かつて彼が仲間と描いた“理想の都市構想図”だった。
破れ、汚れ、色褪せたその紙に、
いまのリベシティの姿はもう、重ならなかった。
ティア:「……ねぇリベル、みんな不安になってる。
“信じていいの?”って声、街中にあふれてる……」
ミーナ:「でも、それを強制したら“自由じゃない”──
じゃあどうすれば、信じることを、選んでもらえるの?」
リベル:「──見せるしかない。
“俺が、信じることを、やめない姿”を」
【覚醒スキル:リベル・アーツ】
《信じる力:共感の炉》
自身の信念と行動を可視化し、
周囲に“信じる選択”を伝播させる力。
広場に集まった市民たちの前で、
リベルは壇上に立つ。
そして、かつての仲間・バルドに向けて書いた“手紙”を、
朗読することを選んだ。
リベル:「……お前は、裏切った。
でも俺は、今でも“あの日のバルド”を信じてる。
あの夜、一緒に野営しながら語った“街の未来”を、
俺は今でも、見たいと思ってるんだ」
その手紙は、街全域に魔導通信で流された。
泣き出す者。拳を握る者。
沈黙のままうなずく者──
“信じる”という選択が、再び灯り始めた。
【市民信頼指数:回復中】
→ “自己責任”ではなく“相互選択”の価値が再評価される!
その頃、ゼロ・ギルド拠点では──
アシュ:「……信じることで救われる?
……甘いな、リベル。
だが、面白い……次は、こっちが“選択肢”を出してやるよ」
→ ゼロ・ギルドが“自由の代替国家案”を掲げる!?
次回:
「ゼロ共和国、建国宣言──対話か、決裂か」
【To be continued…!】