第129話 「リベルの答え──選ぶことの痛みと強さ」
──翌日、リベシティ中央広場。
群衆の数は前日よりさらに増えていた。
話題となったアシュ=ノクスの演説は街中に波紋を広げ、
「ゼロ・ギルド」の支持層は若者を中心にじわじわと広がっていた。
その中央、仮設された演説台の上に立つのは──
リベル・アーツ。
その表情は静かだが、内に強い覚悟を灯していた。
リベル:「俺は、君たちを否定しない。
“自由”に疲れたって言ってもいい。
選ぶのが怖くなったって、間違ってない」
「でもな──
それでも、“選べること”を失ったら、
人は、本当に“生きてる”って言えるか?」
静まり返る空気の中、リベルは語る。
リベル:「俺も、昔は選べなかった。
働く時間も、稼ぎ方も、学びも、住む場所も……
全部、誰かに決められて、
“文句言うな”って押し込められて──潰れた」
「でもあのとき、誰かが“選んでいいんだ”って言ってくれた。
だから今、ここに立ててるんだよ」
【スキル発動:リベル】
《使う力・物語の伝達》──
自らの過去を開示することで、相手の“記憶”と“感情”に共鳴を起こす。
リベル:「自由ってのは、“好き勝手していい”ってことじゃない。
“ちゃんと迷って、苦しんで、それでも歩いていく権利”なんだ」
「ゼロになることは、傷を隠す手段にはなるかもしれない。
でも、前に進むための力には、ならない──!」
観衆の中に、少しずつ変化が現れる。
・立ち止まるゼロ支持者
・涙を拭う初老の女性
・拳を握る青年の横顔
そして、演説台の下に現れる──アシュ=ノクス。
アシュ:「……なら、証明してみせろよ、リベル・アーツ。
“自由には価値がある”ってことを、な」
リベル:「ああ。
そのために俺たちは、“建ててきた”んだからな──この街を!」
次回:
「理想のぶつかり合い」──リベシティ、分裂の危機へ!?
【To be continued…!】




