第128話 「ゼロの誘惑──壊れた理想と集う声」
──リベシティ、南区の旧市場跡地。
今そこには、無許可で設営された“自由講演会”が開かれていた。
そこに立っていたのは──ゼロ・ギルドのリーダー、アシュ=ノクス。
その瞳は真っ直ぐで、言葉は鋭く、しかしなぜか人を惹きつける熱を持っていた。
アシュ:「“選べる社会”って、聞こえはいい。
でも実際はどうだ?
選んで失敗したら、誰が責任取ってくれる?
──結局、選ばされた後に、自己責任を押し付けられるだけじゃないのか?」
群衆がざわつく。
「たしかに……」
「オレ、起業したけど結局失敗して借金だけ残った」
「自由って言われたけど、サポートもないまま放り出された気がしてた」
そこに現れる、リベル・アーツ一行。
ハルク:「あいつ、演説で人の“失敗”だけを切り取って共感取っとる。
希望を語らん“自由”は、ただの無責任やっちゅーねん……」
ミーナ:「でも、こうして傷ついた人たちに届いてるのも事実。
リベル……行く?」
リベル:「いや──
今日はまだ、“聞く日”だ」
【イベント進行:リベル・アーツ】
《聞く力・傾聴の座》──
批判や歪んだ価値観の中にこそ、
本当の課題が隠れていると見抜くスキル。
アシュの演説は続く。
アシュ:「“稼げ、増やせ、守れ、使え”──
そのくせ失敗したら全部“自己責任”だ?
そんな“力”なら、最初から“持たない”ほうが楽だろう?」
ティア:「……言ってること、歪んでる。でも……聞いちゃう……」
リベルは静かに呟く。
「ゼロは、痛みを“拒絶”で癒そうとしてる。
でも、俺たちは“選んで進む”ことで、乗り越えられると信じてきた。
だから……ちゃんと、“向き合わなきゃいけない”」
次回:
「反論せよ、自由の名のもとに」──リベル、真の理念演説へ!
【To be continued…!】