第126話(最終話・後編) 「リベシティ建国式──自由が選ばれた日」
──数ヶ月後。
かつて、リベルが“理想”を描いた丘。
そこに今──都市が建っていた。
家々が並び、人々が笑い、
広場では子供たちが「5つの力」の歌を口ずさむ。
“奪われた世界”に、自分たちで選び取った“国”ができたのだ。
正式国名:
自由連邦国家・リベシティ
統治形態:
・代表評議制(参加は自由・任期制)
・5つの力に基づく教育・経済政策
・誰もが“選ぶ”ことを義務ではなく“権利”として持つ国家
建国宣言の日──
リベル・アーツは、
広場の壇上に立っていた。
その隣には、ミーナ、ハルク、ティア。
そして、マネフエル村、リッチナーン、ゴルトランス、封鎖領……
全ての仲間たちが集っていた。
リベル:「ここに“奪われない暮らし”を誓う──」
「ここに、“売られない安心”を築く──」
「ここに、“誰かに指図されない未来”を、
俺たち自身の手で創っていくことを、誓う──!!」
その瞬間、空に舞う光とともに、
世界中の“かつて奪われてきた人々”の胸に、
新しい言葉が刻まれた。
「選んでいいんだ」
「間違ってもいいんだ」
「自分の人生を、自分で歩いていいんだ」
最終スキル覚醒:リベル・アーツ
《自由の力・継承の街》──
自分がいなくても、“未来が回り続ける仕組み”を創る力。
式典の終わり、リベルは一人、丘の上に立っていた。
そこへ、黒いローブの男が歩み寄る。
「ようやく、来たな──バリ師匠」
バリ・モルディブデ・ザイアール:「ああ。やっと、やっとやな」
リベル:「……あんた、やっぱり、リョウガ区長だったんだろ?」
バリ師匠は、微笑みながら言った。
「どっちでもええんや。
せやけどな──“自由を信じた奴が一番強い”。
それだけは、変わらん」
「今日がいちばん若い日や。これからも、生き抜け」
リベル・アーツは、微笑んだ。
自分の旅が、誰かの旅になることを信じて。
そして、物語は静かに幕を閉じる。
だが、リベシティの鐘は鳴り続ける。
選ぶ者すべてに向かって──
「自由は、ここにある」と。
【完】