第121話 「文字が世界を変えた日──ユークの決断」
──リベル・アーツ学園、開講から2週間。
地下室の教室には、日ごとに新しい顔が増えた。
少年少女、若き労働者、かつて“知ること”をあきらめた中年たち──
彼らは皆、初めて“自分の名前”を文字で書くという経験をしていた。
ミーナ:「あたし、こんなに静かなのに心が熱くなる時間、初めてかも……」
ティア:「教えるって……こんなにも優しくて、強いんだね」
ある夜、授業を終えたユークがリベルの前に立った。
その手には、自作した簡易新聞の束があった。
ユーク:「リベルさん……“卒業”させてください。
僕、この国の誰かに“今の出来事”を伝える役目を担いたいんです」
新聞の表紙には、こう書かれていた。
『今、私たちは学んでいる。
誰にも見えない場所で、
誰にも知られず、
けれど確かに“考えている”。
──これは、封鎖領の夜明けの記録だ。』
リベル:「……よくやったな、ユーク。
お前のその言葉こそ、“この国の自由”のはじまりだ」
【スキル覚醒:ユーク=ローヴァ】
《伝える力:声なき声を拾う者》──
思考と言葉を媒介に、“知る自由”を社会へ繋ぐ力を獲得。
その夜、ユークは地下を出た。
リベルが手渡した魔導インクと紙を持って。
彼の新聞は、小さな巻物として人から人へと手渡される。
『私は、言葉を覚えた。
それは、世界の見え方を変えた──』
そして、監視塔の警告灯が点滅を始める。
「……識字率の局地的上昇を確認……!!」
「封鎖中枢、動きます!」
リベル:「くるぞ──
でも、今なら“逃げない理由”がある」
ハルク:「守るって決めたやろ? ここにおる奴らの“明日”を──」
ティア:「この国の未来は、ユークが照らした。
だから、あたしたちも絶対に守り抜く……!」
次回:
封鎖領・最終局面──「言葉は暴力よりも強い」ことを証明する戦いへ!!
【To be continued...!】