第97話「潜入ジークロア──自由を許さぬ都市の真実」
──カルナ帝国・首都
白亜の壁に囲まれ、整然と並ぶ石畳の街。
しかしその中には、リベシティとは真逆の空気が満ちていた。
街全体に流れるのは、**「統率」「階級」「秩序」**の三原則。
人々は定められた時間に定められた道を歩き、
会話は最低限、意思表示は極力控え、感情表現は“無礼”とされていた。
リベルたちは、偽装身分を使って街に潜入。
表の入口からではなく、貿易区にある小さな貨物門から入った。
ミーナ:「……なんか息苦しい街ね。人が生きてるって感じがしない」
ハルク:「体は動いとるけど、魂は封印されとる感じや……」
ティア:「あの看板……“意志の表示を慎め”って書いてある……!」
彼らは、自由思想に反対する帝国幹部・ロイド枢機卿との謁見に向かう途中、
市民の一人──「ケルネ」という青年と出会う。
ケルネは帝国の“社会制度技師”の見習い。
一見冷静な官僚だが、リベルの瞳を見て小さく呟いた。
「……あなた方、“選んだ顔”をしている」
リベル:「“選んだ顔”?何のことだ?」
ケルネ:「ジークロアの人間は……ほとんど皆、“選ばされた顔”をしています。
だけどあなた方の顔には、“自分で決めた人生”の痕がある──」
彼は笑った。
ほんの一瞬だけ、“制度の壁”を超えて。
【街の兆候・隠れ共鳴】
《自由の力・気づき》
→ 帝国の中にも、“抑圧に疑問を持ち始めた者たち”が存在する!
そしてその夜。
リベルたちは密かに、地下で活動している“自由思想地下同盟”の会合に招かれた。
そこにはかつて自由を夢見て処罰され、
今は潜伏生活を送る者たちがいた。
「我々は選べないまま、ここにいる。
だが──リベシティは“選ぶ力”を世界に示した。
お願いだ……私たちに、もう一度夢を見させてくれ」
リベルはその言葉を、静かに、まっすぐに受け止めた。
リベル:「……いいや、“夢”じゃない。
自由に生きるってのは、“現実を自分で選ぶ勇気”だ。
それを教えてくれたのは、オレの人生そのものだった」
【スキル進化:リベル】
《自由の力・共鳴の種火》
→ 圧政の地に、“希望の思想”を点火せし者となった!
だがその直後──
天井を破り、帝国の治安部隊が突入!
「自由思想の拡散者を確認!即時拘束せよ!」
リベルたちの交渉は……暴力によって中断された。
だが、それこそが──
「自由が敵とされる社会」そのものの証拠だった。