同情と罪
第九話「同情と罪」です!!
よろしくお願いします!!
光は剣になった。
刀身は長く、銀色のガラスのようなデザインの美しい剣だった。
そして僕の右手がそれを掴むと剣の重さがずしっと来て僕は体勢を崩した
「うわぁあ!なにこれ、おもっ…」
両手で持つのに精一杯。
すると右手から声が聞こえた。
「前途多難だね。まずはその剣を振えるくらいになってもらわなきゃね。出したり、消したりは自由だよ。武器とかも君が考えられる範疇でなら作り出すことは可能だね。あ、でも私が出しているわけだから私が寝ている時に無理矢理起こして出させるのは禁止だからね。」
「…レヴィって寝るの?」
「当たり前じゃないか。ずっと起きてるなんてのは退屈すぎてやってらんないよ。」
この悪魔はなんておじさんみたいなことを言うんだ…
まぁそんなことはともかく。いざとなったらこれで戦わなくちゃいけないんだ。
「レヴィ、消す時はどうするの?」
「手を離せば消えるよ。出す時はさっきみたいに強く念じるんだ。」
凛は剣を手放した。その瞬間剣はまた銀色の光へとばらけ、消えていった。
明日から少しずつ特訓しよう…
ため息をつき、レヴィにまた話しかけた。
「そういえば、学校の人達はほったらかしてていいの?」
「目が覚めると勝手に帰っていくように設定しといたから安心しなよ。そして明日にはいつも通りの学校になっているだろうね。」
「そっか。じゃあ僕達は先に帰ってもいいんだね?」
「あぁ、きっと今日という日をみんな忘れていることだ。」
僕達は教室に荷物をとりに行った。
人はいるのにこんなにも静かだとほんとに不思議だなぁ。
カツっカツっと響く足音を鳴らしながら僕は三階の1-Bである自分の教室へと向かっていた。
ガラッと教室のドアを開け、自分の席へと向かった。
そこにも何人か…四、五人くらいだろう。眠っていた。
きっとこの人達もさっきまで酷い傷を負って…
そんなことを思っていると右手から声がした。
「立花凛。人一人見る度にそういうことばかり考えるのはよくないな。確かに僕達は過ちを犯したが今君が抱いている感情はいつか逃避へと傾くだろう。」
「なんでそんなことが言えるんだよ。」
「そういう顔をしているからさ。自分まで辛くなっていたらいつかは壊れるぞ。」
「…!」
レヴィの言う通りだった。これは同情してるだけだ。
僕は罪というものに向き合ってはいなかった。
僕は黙り、逸らすように自分の席へと向かい、荷物を持って颯爽と教室を出た。
そのままダッシュで僕達は校門を抜けていった。
⚫︎⚫︎⚫︎
風が心地よく吹く。
少年は[楓原高等学校]の校門横の木陰スポットで風を受けながら座っていると、校門をダッシュで走り抜く少年とすれ違った。
「さっきのやつ見てまさかとは思って飛んで来てみれば、とんだ収穫だったな。」
「今のが俺達と同じやつらなのか?」
「あぁ、そうさ。やっと見つけたよ、レヴィアタン。」
第九話「同情と罪」いかがでしたか!!
次回もよろしくお願いします!!
お楽しみに!!