自分の右手
どうも青です!!
第八話「自分の右手」です!!
今回は凛回です!お楽しみください!!
「あ、あの。」
背後から誰かに呼ばれて僕は振り返った。
この子、彼女は先程まで胸には窓ガラスの破片が刺さり、涙を流していた少女だった。
今では刺さっていた窓ガラスどころか傷すらも残していなかった。
彼女は立ちあがろうとした。だから僕は彼女へ向かって歩み寄った。
あまりにも彼女が不安そうにこちらを見るものだから僕は口を開いた。
「あんまり無理に動かない方がいいよ。」
それでも彼女は震えながら立ちあがろうとする。そして僕に口を開いた。
「あの隕石のような…ものが…ふって…」
そこで彼女はばたりと倒れた。気を失っているだけらしい。
流石に女の子をこんなところに寝かせておくのは危険だと思った僕は彼女を保健室に寝かせることにした。
「レヴィ。眠ってる人達はいつぐらいになったら目が覚めるんだ?」
僕は自分の右手に向かってそんなことを聞いた。
すると右手がその問いに答えた。
「そうだな。一、二時間で目を覚ますんじゃないかな。色々記憶もいじったから時間をかけてしまってね。」
「記憶を?変なことしてないだろうな。」
「安心しなよ。これは君達の為にやったことさ。」
「僕達の?」
「そうさ。流石にあんな大人数の単位で自分の死ぬ瞬間なんて思い出したくないだろう。だから隕石の部分はすっぽり抜けてるはずさ。」
「じゃあ彼女は?隕石のことを口にしてたよね。」
「そこなんだよね。目覚めるのもはやかったし。抜かりはなかったはずなんだがねぇ。」
「でもまた次目覚めた時には記憶は消えてることもあるんじゃないかな?」
「そうだな。たださっきのは記憶が混乱中に目を覚ましただけの可能性もある。まぁ、そうだと思うがね。」
僕達はそんな会話をしつつ廊下を歩いていた。
「あのさ、さっきレヴィが大罪人同士は引きつけ合うって言ってたよね?」
「あぁ、確かに言ったね。それがどうかしたかい?」
「それなんだけどさ、会った場合危険とかってあるの?」
「私は他の契約者は知らない。けどこの契約自体契約している人間が死ねば悪魔はまた百年後の契約まで眠るだけ。悪魔からするとただの娯楽だと思っているやつもいるだろうね。だからその可能性は大だろうね。」
「殺し合い…とか?」
「血気盛んなやつは多い。だからどんな奴にでも警戒は怠らない方がいいね。」
「じゃあそういう時、僕にどう戦えって言うのさ。」
「心配しなくて大丈夫だよ。例えば、右手を振り上げて心で思い切り剣を想像してみて。」
「え?こ、こう?」
僕は高く手を振り上げて、強く強く剣を想像してみた。
「ほら、目を開けてごらん。」
レヴィにそう言われて強く閉じた目を開けた。
そこには僕の体にぐねぐねとしながら銀色の光がまとわりついていた。
その銀色の光はやがて振り上げた僕の右手の手のひらへと集められた。
そして段々それは形になっていき。
光は剣へとなった。
第八話「自分の右手」いかがでしたか!!
次回もお楽しみに!!