二人で
どうも青です!第七話「二人で」よろしくお願いします!!
前回の小春と朔の物語の続きです!
あの日から、私達はずっと一緒だった。
宮野朔。彼女は不登校気味だったのに最近は毎日来て私と一緒にいてくれる。
彼女はいつだって私に笑いかけてくれた。
陰じゃ私達を「腫れ物」だとか「レズ」とかいう人もいる。でも前程辛くはない。今は痛みを二人で分かち合うことができるから。
やがて周りの私達への対応はあからさまないじめへと変わった。靴を勝手に捨てられたり、教科書をトイレに流されたり酷いものだった。
ある日の放課後下校中に二人で並んで歩いていた時、朔は口を開いた。
「ねぇ、小春。小春は大丈夫?最近辛くない?」
朔はチラチラとこちらを見ながらそう聞いてきた。朔なりに心配してくれているのだろう。
私は朔の方を見て答える。
「辛くないよ。大丈夫。朔こそ大丈夫?」
私も朔が心配だった。久しぶりに登校し始めてすぐいじめられる…それってかなり辛い…と思うから。
朔は一瞬きょとんとして笑って答えた。
「小春に心配してもらえるとはねぇ。私も相当きてるのかもなぁ。」
やはり、相当辛いのかもしれない。何か…こういう時なんて言ってあげれば…
そうあたふたしながら考えていると朔が顔を覗き込んできた。
「ねぇ、小春。これは提案なんだけど。」
「うん」
即答で返事をしてしまった。続けて朔は話し出した。
「今年で中学も終わりでしょ?だったら高校は遠いところへ行って一から始めてみない?」
「遠いところ?あてはあるの?」
「[楓原高等学校]ってとこあそこだったらまあまあ遠いし、寮もあるし、何より私でも目指せるかなって思ってね。」
知らない土地。知らない学校。二人なら。
小春はワクワクしていた。
「いいね。目指そう。二人で。」
「やったー!!」
そこから親にそのことを話した。怒られるかなとも思った。でも、案外「小春が…自分の道を…」なんて言って号泣していた。親もずっと心配くれていたのだ。
朔は親には猛反対大喧嘩の末、なんとか認められたらしい。
二人はなんとか楓原高校の制服に袖を通すことができた。嬉しかった。
この時は考えてもいなかった。
入った年に何かが学校に落ちてきたことによって私達が死ぬなんて。
⚫︎⚫︎⚫︎
「私は…一体…」
ぼんやりとする視界の目の前に一人の男子が立っていた。
…誰?でもうちの制服だ。
そもそもなんで私こんなところで倒れて…
その時、小春の頭に流れてきた記憶。
そうだ。私は…いや私達の学校に何か落ちてその衝撃で…
でも私無傷…?そんなのおかしい。どこも痛くない。
私はそこにいる男子に聞いてみることにした。
少しだけ体を起こす。
「あ、あの。」
彼はこちらを振り返った。
「ん?あんまり無理に動かないほうがいいよ。」
彼は優しかった。即座に歩み寄ってきてくれた。
「あの隕石のような…ものが…ふって…」
たちまち私はまた気を失ってしまった。
第七話「二人で」いかがでしたか!!
まだまだこれからなので次回もよろしくお願いします!!