やめてくれ
どうも、青です!!第五話「やめてくれ」です!!
今回も楽しんで頂ける嬉しいです!!
「僕の嫉妬…?」
凛はあっけらかんとしていた。
蛇は続けて言った。
「私は人間の嫉妬がだぁい好きなんだ。嫉妬なんてのは生きていればみんなするものさ。そうしなくちゃ自分を守れないのが人間だからね。でも…」
そこで蛇は話すのを止め、こちらをじっと見ている。なんだかなんでも見透かされているかのようで気味が悪い。
やめてくれ…そんな目で僕を見ないでくれ…
凛は思いっきり蛇からの視線を嫌がり逸らした。
そして蛇はまた話し出した。
「でも、君の嫉妬は特に最高だよ。立花凛。」
…やめて。
「……やめてくれ。」
「私が特に好きなのは…」
「…やめてくれ。」
「やっぱり小学校の成瀬秋兎くんのやつかなぁ」
「やめてくれ。」
「あれは最高だったよ。橋のところで…」
「やめろって言ってるだろ!!」
気づけば凛は涙を流し、爪が食い込んで血が出るほど力が篭ってしまっていたらしい。
蛇が語ったのは凛が一生拭えない罪。他人には絶対に知られてはいけない罪だった。
な、なんでこいつがこれを知っているんだ…?
一回は黙ったが蛇はまた話し出した。
「ね?分かったでしょ?君がなんで嫉妬なのかはさ。これで分かったとは思うけど契約は大罪のテーマに合っている人物と結ぶんだ。」
しばらく凛は黙っていた。色んな感情が出てき過ぎて混乱していた。
とにかく今は何も話したくはなかった。
⚫︎⚫︎⚫︎
少しの間凛は座り込んでいたが立ち上がった。
そして虚な目で蛇を捉え言った。
「お前と契約すれば助かるんだな。」
蛇は待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべる。
「あぁ、絶対助かる。約束しよう。」
凛はその言葉聞いてあたりを見回す。
そして1人の女子生徒を見つけ、歩み寄った。
彼女は教室や廊下の窓のいくつもの破片に胸を貫かれていた。
口からは吐血をし、手足は普段曲がらない方向へと曲がっていた。それに微かに目から頬を涙が伝った跡が見えた。
可哀想に。僕のせいで。こんな。
凛はこの目に焼き付けておかないといけないと思った。きちんと罪を背負わなくてはいけないと思った。
「レヴィアタン…いや、レヴィ。僕はお前と契約をする。だから治してくれ。」
「お、その応えを待ってました。今ここにレヴィアタン、そして立花凛の契約の証を示せ。」
レヴィがそう唱えると凛の右手の甲が光り出し、何かの紋章みたいものが刻まれていく。痛みはない。
やがてそれは蛇の紋章へと姿を表せた。
「これは?」
「私と君を繋ぐものさ。それが契約の証。っと、契約もすんだし。」
周りを見渡す。瞬く間に崩壊していた建物は治り、色んなところに拡散されていた炎も消え、倒れている人達の傷などがみるみる治っていく。
「よし、これで完了かな。」
「ありがとうレヴィ。ところで僕はこれから何をすればいい。」
そう言うとレヴィは凛の右手の甲の紋章へと入っていった。
そして右手の甲から声が聞こえる。レヴィの声だ。
「別に私達は殺し合いをしろとかは言わないさ。観察してるだけ、暇つぶしさ。だから何もしなくていい。ただ…」
レヴィは最後に引っかかっる言葉を残した。
「私達大罪人は互いに引力のようなもので引き寄せ合う。だから何をしてもしなくても何かしらはおきるね。」
第五話「やめてくれ」はいかがでしたか!!
次回も楽しみにしてくださると嬉しいです!!