諸悪の根源
コントラクト&セブンス。二話「諸悪の根源」!
これからですので楽しんでいただけると嬉しいです!!
バキッと音をたてて倒れていく木々。周り一体火の海。ペシャンコに潰れた校舎にも火がつき、崩れ、グランドなどにはたくさんの生徒や教師が倒れていた。
その景色はまるで地獄。
そこに一人の少年が虚な目をして静かに一歩一歩ゆっくり歩いていた。
あの声のする方へ。
⚫︎⚫︎⚫︎
少年はグランドを横切り、体育館と校舎を繋ぐ渡り廊下前へと足を運び、やがて止めた。
渡り廊下からでも見える。グランドにもたくさんの人が重症を負っていた。でもきっとグランドの人達は校舎での衝撃で吹っ飛んだのであろう。その分校舎の中は腕や足、なんなら下半身全体瓦礫で潰れている人もいれば、逆に上半身、顔などが瓦礫の下敷きなど酷いものだった。少年はそこでうずくまり嗚咽していた。
「…なんで!なんで僕だけ!!」
見て分かってしまった。ここら一体に生きている人なんていないことを。
明だって見つかってないけど…きっともう…
「うああぁぁぁぁあぁ!」
少年はどうすることもできずただ泣いた。
「こんなんで生き残って僕に一体どうしろっていうんだよ!!」
誰もその言葉には答えない。炎のバキッバキッという音だけ。
うずくまっている少年の背中から誰かが言った。
「救えると言ったら君ならどうする?立花凛。」
聞いたことのない声だ。
少年はガバッと声のする方へ振り返った。
「誰だ!」
いきなり過ぎて怒りや後悔など全てを込めて問いかけてしまった。
「怖いなぁ。落ち着こうよ。ね?」
少年をそうなだめる彼は。
癖っ毛のある黒髪をなびかせ、制服を着ていた。
「この学校の…?生きていたのか!」
嬉しさのあまり凛は彼に慌てて歩み寄った。
そして彼は笑顔で口を開く。
「ん?あぁ、この格好か。ごめんね。騙すつもりはなかったんだよ。ただこの姿で仮に生きてた人に見つかるとめんどうだからね。でも別に君しか生きてないっぽいしいっか。」
彼はそう言いながらみるみる一匹の白く黄色い眼を持つ蛇と姿を変えていった。
白く美しい体に黄色いなんでも見通してしまいそうな鋭い眼だ。
「お前は、なんなんだ!」
凛は状況が全く掴めずにいた。
その問いに蛇は答えた。
「私の名前はレヴィアタン。レヴィとでも呼んでくれ。」
蛇は名乗った。でも凛にはそんなことはどうでもよかった。
「お前が!これをやったのか!」
校舎。グランド。裏山。全て火の海。その原因が知りたかった。
レヴィは答えた。
「その通りだ。」
その答えを聞いた瞬間頭に血が昇ってこいつを殺そうと殴りかかろうとした。
「よくもー!!!!」
でもそれはレヴィには届かなかった。
忘れていたのだ。自分も動くので精一杯なことに。
「無理をするものじゃないな。君も軽症ではないんだから。」
「……くそ…」
悔しい悔しい。目の前にやった元凶がいるのに…。僕はなんて無力なんだ。
段々意識が遠のいていくのを感じた。
コントラクト&セブンス。二話「諸悪の根源」ありがとうございました!これからも張り切っていきたいと思いますのでよしよかったら応援してください!!