理解できない
第十五話「理解できない」です!!
よろしくお願いします!!
「ハァハァ…」
私は学校中走って、一つ一つの教室に彼がいないか探した。おかしい、なんで私はこんなことをしているの?
彼は不思議だった。でもそれ以上はなんとも思わない。のになぜ?
「…!」
「あいつならこの先の保健室にいるぜ。」
奈加野くんだ。私は彼を厄介払いするかのように扱ったのだ。少し、気まずい。
すると、彼は話し出した。
「俺もな、中学まではどうしようもない奴だったんだ。しょっちゅう喧嘩はしてたし、迷惑だと思われるようなことたくさんしてきた。結局は有り余っていたのさ。だから注目されたくて暴れてた。みんな俺をちゃんと見てはくれなかった。でも、あいつは違ったんだ。俺をちゃんと見てくれて、俺の力の使い道を一緒に探してくれた。俺はあんたもあいつと関わって変わると思うんだ。」
「別に私は変化なんて求めてない…」
「変化はしなくとも居場所はくれると思うぜ。とにかくあいつはすげーんだ」
ニカっと奈加野くんは笑って見せた。ほんとに彼のことが好きなんだろう。
「んじゃ、俺は帰るから、じゃあな」
「え?会いに来たんじゃ?」
「心配なんてしてるわけねーだろ、だだ様子見もしたからもういっかなってな」
余程彼を信頼しているんだろう。私に背中を向けて帰って行った。
「じゃあね」なんて言われたのはいつぶりだろう。
その言葉に胸の辺りがぽっとなったのが分かったがそれがなんなのかは分からなかった。
⚫︎⚫︎⚫︎
「…いた。」
ほんとに保健室にいた。入り口に背を向けて何かをしている。
「うわぁ!こ、これはその〜…って君は朝の?」
「朝の?」
「あれ?朝僕が猫といた時こっち見てたよね?」
「え?」
見られていたんだ。こっちを見ていた気配なんて全くなかったのに。
「それに同じクラスだね。僕は立花凛です。よろしく。」
「教室のも気づいていたんですか?」
「うん、気づいたよ?」
なんだか胸が締め付けられる、顔が熱い。さっき奈加野くんが言ってた「あいつは違ったんだ。俺をちゃんと見てくれて」という言葉を思い出した。
私のこともちゃんと見てくれていたんだ。なんだか恥ずかしい。
私は彼から視線を逸らして聞いた。
「先生、探してましたよ。まさか抜け出したんですか?」
「まぁね、少し用事があって」
用事。今朝の言い訳も用事。あまりにも言い訳が単純すぎる。
私は彼に向かって歩いて行った。
すると朝の猫がいた。
「今朝の猫なんだけどさ、足に怪我をしていたみたいなんだ。」
「だからわざわざ学校で手当を?」
「まぁ、学校ではそういうの揃ってるかなって。」
「それってあなたが傷を作って、しまいには遅れてまでやることなんですか?」
やはり理解出来ない。確かに見たら可哀想と思うだろう。でも助けの手を差し伸べてそれを拒む。大体の人は救うのを諦めるだろう。でも彼はそれでも救った。
「お人好し過ぎますよ。」
「そうかもしれない。けど救って損はないだろ?」
彼は笑った。手にたくさんの引っ掻かれた傷を作って。
第十五話「理解できない」いかがでしたか!!
次回も楽しみに!!




