災厄の始まり
はじめまして、青と申します!自分は学生をしているので少しゆっくりペースかもしれませんが読者様の暇な隙間時間などでも埋められたら嬉しいです!
これは。
「おーい、かりん!時間なくなっちまうって!!」
「ごめんごめん。すぐ行く。」
僕、立花凛と。
「小春!次の英語で提出の週末課題みして!」
「はい。そうかと思って準備してた。」
私、渚小春の。
出会うはずもなかった二人の物語。
⚫︎⚫︎⚫︎
『それ』は突然起きた。
僕達はその時、昼食をとるため、僕達の所属する[楓原高等学校]の裏山にいた。僕、立花凛と一緒に歩いているのは中学生の時からの付き合いのある、奈加野明だ。僕達はいつもこうして裏山で昼食をとっている。
いつも通り裏山へ向かっている途中、明が空を見上げてこう言った。
「おいかりん、あれ見えるか?なんだあれ隕石か?」
確かに何か見える。
「あぁ、見えるよ。」
というか気のせいだったらいいんだけど、こっちに来てない…?
「なぁ、こっち向かってきてねーか?」
明も同じことを思ったらしい。
「分からない。でもすぐここから離れたほうが…」
そんな会話をしていたら一瞬にしてあたり真っ白になったのが分かった。
どんな音が鳴ったとか、周りがどうなってしまったとか考える暇もなく『それ』は…
落ちたのだ。
⚫︎⚫︎⚫︎
「…ん、お…て!」
ん?なんだ声が…聞こえる…
でもなんだか今体もふわふわしてて浮いてる感じもあって悪くないかも。
でもこの声、どこかで…?
聞いたことないはずなのにどこか懐かしい気持ちにさせてくれるそんな声だった。
あれ、僕なにか、忘れている気が…
「り…!…ん!」
君は誰?僕今、誰かに呼ばれている?
「りん、おきて!」
…!そうだ。思い出した。僕はあの時…!
その時、凛の脳裏に浮かぶ裏山での出来事。
目覚めなきゃ!
明は!世界はどうなったんだ!
⚫︎⚫︎⚫︎
目が覚めた。すごくたくさんの時間寝てたみたいでまだ視界がぼんやりとしている。
「…!」
視界よりも先に嗅覚がなにかを感じ取った。火事の時などに発生する煙の匂いだ。
「ゴホッ!…ゴホッ!」
僕は慌てて制服の袖で口元を抑えた。
煙…?火事か!
それにしてもなんで火事が。
視界も段々とクリアになってきた。
立ち上がろうとする凛は倒れた。
痛い。痛い、なんだこれ…頭もくらくらするし、腕も血が噴き出ててすごく痛い。
すぐにでも明と一緒に逃げよ…
その時、凛はクリアになった視界で現実を捉えた。
「なんだよ。これ…」
どこまでも木の葉を伝って続く炎。
そして…
僕達の通っていた[楓原高校]がなにかの重力によって潰されたかのようにペシャンコになっていた。
「なんだよこれ、悪夢なら覚めてくれよ!どうしてこんなにならなくちゃいけないんだ…」
なんで俺だけ…こんなんで生き残るんだよ…!
その時、
「…ん!り…!」
頭に流れ込んできた誰かの呼ぶ声。
なぜかその声は僕にやる気を与えてくれた。
「行かなきゃ…行かなきゃ…」
そう言い僕は右腕を左腕で抑えながら裏山を降りた。
ご愛読ありがとうございました!次回もお楽しみに待っててくれると嬉しいです!