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第9話【クリスマスの楽しみ方】

 さ、今年も一人でクリスマス。硬派な私は、浮かれたりはしません。ええ。もちろん独り身ですし。ま、いいんじゃないんですか?町の若者たちが楽しんでいる分には。この不況の中。存分に楽しむがいい!!私はホッケを焼く。じっくりしっかりと焼きます。だいたい、クリスマスだ正月だと、その時にしか食べないものは、料理しなれてないからうまく作れないものだ。だから焼きます。ホッケは私を裏切らない。


 とはいえ、一応めでたい日らしいので私も何かを楽しもうとは思う。ホッケを焼いて食べてお腹いっぱいってのも芸がない。


 よし、色々とリストアップしてみようじゃないか!



 クリスマスを楽しもう!


 クリスマスと言えば、やはり美しいイルミネーション。これくらいは、独り身の私でも楽しみたいものだ。だが、一人でイルミネーションの前でボーっとするのはなかなか切ない。というか危ない。だいたい、私は人混みが嫌いだ。電車などはまあ、慣れたものだが(あんまり人が動かないし。)

 そうだ!こんなのはどうだろう?


1・山手線を何周もしよう!


 車窓からはその町々のイルミネーション。山の手線は大体都会を走っているし、これは使えるに違いない!一番前の車両で、空いた席に乗り込み、優雅に何周も!寒くないしお金も使わない。これはかなりいい!



 さ、イルミネーションを十分楽しんだ所で、今度はどうしたものか?ホッケはもう焼いてある。いつでもチンすれば食べれる状態だ。そうだなあ、自分で自分にプレゼントを買うのは忍びないが、日ごろのご褒美ということで自身を甘やかすのも悪くない。



2・さあ、買い物だ!


 山手線に乗ろうと、都合よく都心まで来ているはずだ。これは買い物する場所も山ほどあるわけだ。そうだなあ・・・洋服もいいが、たまにはゲームなんかもいいかもしれんなぁ。おっ。ケーキが安く売られているじゃないか!そうそう、イベントの時間も半ばを迎えると、売れ残りを避けようと安くなるものなのだ。よし、なにか面白そうなゲームと安いケーキを買っていこうじゃないか。


 よし。かなりクリスマスらしくなってくるんじゃないか!私もやればできるものだ。このテンションでは、都会の真ん中で『メリークリスマス!!』と叫んでしまいそうだ


。いや、それはやめよう。さて、あと何かできるものはあるだろうか??う~ん。あとはサンタ関連の何かがあって欲しいものだな~。街中を見渡すと、確かにサンタらしき格好の人々が溢れているが、皆安い時給のアルバイトかなんかであろう。もっと奉仕する意欲のあるサンタと絡みたいものだ。


3・そうだ!キャバクラ行こう!!


 そうそう、こういうイベントには完全に絡んでいるに違いない!独身貴族を気取っているわけだし、こういう場所で楽しくワイワイってのもいいかもしれない。ま、もっともキャバ嬢たちは、こういう日に働いている自分に嫌気がさしているに違いないが。それでもパーティーはパーティーだ。ケーキも買って行ってやれば喜ぶかもしれない。


 ただ、時間は今18時。もうしばらく時間潰しが必要だ。


4・そうだ!パチンコ行こう!!


 これはいいぞ。まさにお祭り気分じゃないか!フィーバーに次ぐフィーバーで大盛り上がり!店員さんのマイクも絶好調!!財布から出ていくお金も絶好調!!・・・いやいや、それはいかん。



 よくよくこの計画を考えてみると、完全に踊らされている気がする。やはり、独り身は独り身らしくグッタリしているのが一番なのかもしれない。


 ただ、キャバクラだけは行こう。硬派な私も寂しい時は寂しいのだ。


 では皆さま。メリークリスマス!・・・ホッケが焼けた。


実際、ホッケは焼きました。キャバクラにはいきませんでした。

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