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第24話【僕の緑と君の赤。】

 私とあなたの違い。僕と君の違い。俺とお前の違い。根本はなんだろう、と考える。


 僕の目から見たものは、君は見ることができない。同じく、僕の目から見たものは全世界、70億人の人々は見ることはない。逆を言えば、全世界70億人が自身の目から見たものを僕は見ることができない。


 だから、本当のことは意外とわからないんだ。君のことを美しいと言う人は沢山いるけれど、うん。僕もそう思うんだけど。皆が思ってる美しいと、僕が思ってる美しいは違うのかもしれない。


 だって、僕は青色をずっと青色だと思ってきた。でもね、他の人の目を通して見るこの青は、僕にとっては緑かもしれない。でも、皆生まれてからずっとそれを「青」だと思ってきたわけだから、この色は何色?って聞けば、みんな口を揃えて言うはずさ。「青色」って。だからね?君のことを美しいって、かなり多くの人が言うけれど、彼らの感じている美しいと、僕の感じている美しいは違うってこと。わかるかな?



 観たい映画で喧嘩したのは15分前。まあ、喧嘩と言っても大人しい二人だから。うん。静かに話し合う感じ。それでもまだ彼女は、目の前で精一杯頬を膨らませている。



 それを聞いて、私はどうすればいいの?笑えばいいの?泣けばいいの?混乱しちゃうよ。そんな難しい話をされても。



 いや、つまりはね?君が僕にとって特別なんだって話。僕はこの僕の目から見て、君を特別な人だと感じているんだよ。



 それは・・・嬉しいけど。でも、なんでこんな話になってるの?



 

 うむ。そう言えばそうだ。何故観たい映画で揉めることからこんな話になったのだろうか?そもそも、何故揉めたんだっけ?僕は集中して考える。考える。考える。ふと、彼女に目をやると、彼女はジーッとこちらを見ている。今の彼女は正に赤。色で言うなら、赤でしかない!・・・待ってるのか?僕が何かを発するのを。待っているんだ。きっと。これはプレッシャーだ。


 僕はさらに考える。そうそう、最初は何の気なしに映画館に来たのだ。そこで彼女が物欲しそうな顔でポスターを眺めて・・・。ああ、そう。そのポスターが日本のイケメン俳優集合!と言わんばかりのキャスティングで・・・。僕はこんな映画はきっとつまらないから、洋画から面白そうなやつ探そうよと言ったんだ。そしたら少し苛立ちを含んだ目で僕をジーっと見て・・・。

 うん。確か若手俳優ばかり出ているからって、つまらないとは限らないでしょ?と、そう言ったんだ。それでも僕は邦画なんて家のソファーで観るに限るよ。迫力もないし。・・・なんてつらつら話してしまって。そしたら彼女が・・・私のことちゃんと見てくれてないのね。私はわかってるのに・・・って言うから・・・。ん?そもそも、なんで僕はこんなにこの邦画を観るのを嫌がったんだ?


 熟考する。もう、彼女の視線は気にならない。だが、きっとまだジーッと見ているんだろうが。もしかしたら、さっきよりも赤くなっているかもしれない。


 ポスターに目をやる。イケメン俳優たちが凛々しい顔つきで映り込んでいる。・・・そうか。そうだったのか。赤はどうやら彼女じゃない。僕なんだ。


 彼女の方に振り向く。



 ごめん。どうやら嫉妬していたらしい。


 ポスターに手をやる。彼女の目が追う。彼女は笑う。大きな声が出ないように、両手で口を押さえながら。


 良くできました!もう、180°周って面白くなっちゃった。


 二人、手を繋ぎ、その邦画のチケットを買った。

 自分でも何の感情なのかわからなくなる時があります。まあ、このお話の男よりは鈍感ではないですが。でも、最初に恋愛したときなんかはあんまり変わらなかったかも・・・かもしれないですね(笑)

 

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