9月10日 バク転
水城「おい、応援団長!」
俺は、ふと現実世界に戻された。
俺 「ん?」
話してきたのは、水城だった。
水城「ん?じゃねぇわ」
柏木「江のせいで、こっちは大変だったんだから」
いつものように、水城や柏木、そして昨日、俺が即席で作った応援団員に指名された向井友梨、春田和佳の二人が集まっていた。そうか、今は放課後かぁ。
俺 「俺じゃねえよ。どう考えても水城だろ?」
柏木「まぁ、それもあるな」
俺 「だろ?」
俺は、柏木に同意を求めた。
水城「俺のせいじゃねえわ」
俺 「ハハハハ」
時刻は、16時40分をさしていた。
向井「それより、遠藤くん、何するの?」
俺 「んー。何がいいと思うの?」
向井は、これからの興味深々で聞いてきてくれたが、何も考えていなかった。ノープランがバレないように質問を質問で返した。
向井「私は、面白いことがしたいかな」
俺 「面白いこと?」
相変わらず、向井はいつ見ても笑顔だった。こういう子が一人でも教室にいてくれると、明るくなるから助かる。
向井「うん。他のクラスとかがしなさそうなこと」
春田「それいいね!どうせ、今年で卒業だしね」
向井「やっぱり、そうだよね」
向井と春田の女子コンビが盛り上がっていた。
春田「何がいいかな?」
向井「あれは、バク転するやつ」
手を使いながら、表現していた。
春田「何それ?」
向井「んー、なんて言ったらいいんだろ」
春田は、笑いながら向井を見つめていた。
春田「全然わからん」
向井「なんか、バク転するんよ」
俺も春田同様、向井が何が言いたいかわからない。
柏木「あれじゃない、踊るやつ」
違うだろ!俺は、心の中でツッコミを入れた。
向井「そうそう!」
合ってるんかい!!また、ツッコンでしまった。
柏木「なんか、応援してる前でみたいなやつでしょ?」
向井「それそれ」
春田「たしかに、そういうのだったら見たことあるね」
向井が言ってるのは、二人ぐらいの人がバク転し合うやつか?
水城「でも、バク転できるやついるの?」
春田「いなさそうね。ハハハハ」
俺は、できるけど、できるとは言わなかった。このまま、話題が変わるのを待った。
柏木「いないだろ、そんなの」
春田「とりあえず、バク転はおいといて、まずは何するか決めようよ」
この後も、話し合いは続いた。