9月9日 応援団長
今日は、体育祭のメンバー決めが行われていた。やはり、元バスケ部だった俺は、200×4のリレーに出るよう声がかけられた。選ばれたのは、水城涼、柏木悠馬、東間管人と俺の4人だった。先にリレーに出ることに決まった俺は、水城たちと話をしながら、他の競技のメンバーが決まるのを待っていた。
水城「決まるの遅くない?」
俺 「そうだな」
水城「あと、騎馬戦と応援団長かぁ」
横から、柏木がやってきた。
柏木「応援団長なんて誰もやりたがらないんじゃない?」
水城「そうだろうな」
決まっていないメンバーは、前の方に集められているが、一向に話し合いが進まないみたいだ。
水城「江!」
俺 「ん?」
水城の声かけに反応した。
水城「お前、応援団長やれよ」
俺 「嫌だよ、めんどくさいだろ」
相変わらず、前ではうだうだして決まらない。コイツ、マジでやりそうだ。冷や汗が出てきた。
水城「そう言うなよ」
俺 「はぁ、嫌や」
水城「俺が言ってきてやるよ」
長身の水城は、立ち上がった。やべぇな、、、、。ただ、コイツは俺と同じで、一度やらしたら、ひかねぇ。もう、無理だ。長身の水城が歩く姿を見つめていた。
柏木「江、やらかしたな」
俺 「アイツ、まじでめんどいって」
水城は、横にいた先生と話をしていた。
柏木「まぁ、しゃーない」
俺 「くそ、ダルいな」
柏木「落ち着け」
俺は、意外と冷静だった。そうだ、、、、。いいこと思いついた。すると、前からニヤついている水城の姿が見えた。
先生「遠藤!」
俺 「はい?」
やる気ない姿で、返事をしてみせた。
先生「お前、応援団長してくれるのか?」
俺 「いいですよ」
よっしゃあ!!前の方にいた男女の生徒が喜んでいた。
先生「じゃあ、よろしく頼むな」
俺 「いいですよ。じゃあ、他のサポート役で、水城、柏木、向井、春田でお願いします」
先生「わかった」
水城や柏木たちが一斉に俺の方に向いた。
俺 「先生、もう俺、帰っていいですか?」
先生「そうだな、もう決まってるやつは帰っていいぞ」
俺 「ありがとうございます」
俺は、カバンを肩にかけて、立ち上がった。後ろから、柏木、前から水城が声をかけるが無視をする。
俺 「じゃあ、先生失礼します」
先生「おう、さようなら」
いろいろあったけど、まぁ、いいか。俺たちの体育祭が始まった。