11月12日 リーダー
こんな感じは初めてだった。とても悪いことをしている感覚だったけど、やめられない。ここは、夜の闇が街を包み込んでいた。こんな古びた路地に来てよかったのか?不安と期待が頭の中を交錯する。俺と山﨑の前には20代の不良たちが集まっていた。ここは、俺たちがいる場所とは全然違うようだ。不良たちはタバコをくわえながら、何やら話をしているようだ。俺たちは、その様子を見ながら無言のまま時間を過ごしていた。俺は、山﨑が行くと言ったタイミングで動く。それまでは、コイツたちがどうするかを見ているしかなかった。
ここには、7.8人くらいいるだろうか?俺は、ずっと
リーダー格の男を目で追っていた。黒い革ジャンを羽織いながら、鋭い眼差しでスマホをいじっていた。ほかの奴らを威圧しており、誰もが近づけない。そんなオーラを醸し出していた。あんな奴らとやりあえば間違いなく俺は死ぬな。リーダーの周りの奴らは、楽しそうに話をしている。おい!!急に大きな声が響き渡った。リーダーの声とともに、山﨑が右腕で俺にサインのように背中に触れる。何かをしようというのか?山﨑がコッソリ動くのに俺もついていく。リーダーの声に集まるように、周りの仲間たちはざわつきながら、リーダーの近くに集まっていく。バレたな、、、、。山﨑の言うように俺もそんな気がしたのだ。
どうするんだよ?静かな声でボソッと呟いた。山﨑は沈黙になりながら、進んでいく。あんだけの人数がいたら、俺たちの勝ち目はない。俺たちの近くには、
古びたスケートボードや壊れた自転車が散らばっていた。こんなのに当たったらバレてしまうな。おい、来るぞ!!山﨑は、何かを感じたようだった。二手に別れるぞ。山﨑は左、俺は右に。急いで走り出した。俺は、アイツらに警戒しながら動く。さっきいたアイツらは、だんだん俺たちの方に近づいてくる。ただ、ここは、隠れられそうなところが多くある。目の前に来たら隠れるのもひとつアリだな。アイツらの服装はバラバラだから、敵かどうかは見ただけではわからない。さっき追っかけていた奴は、ヴィンテージのTシャツにダメージジーンズ。足元はスニーカーだったはず。髪型は金髪に染めており、刈り上げた髪だった。ただ、他の奴らは覚えてないし見つかったら、それはそれで大変だな。後ろを振り返ると、まだアイツらがいる。このままでは距離はいずれつまる。だったら、さっさと隠れた方がマシなのか。俺は、角を曲がり身を潜めることにした。




