11月11日 後悔
昨日、山﨑と話し合いをした末、俺たちは明日敵のアジトに向かうことにしていた。ついていくことで何か危険が及ぶかもしれない。でも、俺はそういうハラハラとした刺激を欲していた。
山﨑「ビビってんのか?」
俺 「ビビるわけねぇだろ」
ビビってもビビらなくても状況は変わらない。だったら、ビビらないようにするのが俺の考えだった。
山﨑「学校は大丈夫なのか?」
俺 「少しくらい休んでも問題ねぇよ」
最近、あまり学校に行けてない。親にはテキトウなことを言って休むことにした。
山﨑「なら、明日予定通り行くぞ」
俺 「おっけー」
もうありふれた学校生活を俺は望んでいない。進学が就職かなんていうしょうもないモノにも興味はない。
山﨑「足手まといだと思ったら、お前も容赦なく切るからな」
俺 「それは、恐ろしいな。ハハハハハ」
でも、俺が望んでいたのはこういうことかもしれない。
山﨑「ちゃんとついて来いよ」
俺 「任しとけ」
俺がちゃんとついて来れるか心配のようだ。
山﨑「明日は、山下たちを狙ってるとか言う奴を見に行く」
俺 「そいつらは、何者なんだ?」
山﨑「聞いた話だと、ハタチ前後の奴ららしいぞ」
ハタチ前後かぁ。
俺 「俺たちと変わらねぇじゃん」
山﨑「ああ」
俺 「ケンカなったらやるのか?」
山﨑「必要だったらするけど、俺たちがヤレる相手ではねぇよ」
俺たちは、そんな強い奴らを相手にするのかよ。
俺 「どんだけ強いんだよ?」
山﨑「山下たちの5倍は強いんじゃないか?」
俺 「5倍ってヤバすぎるだろ」
山下たちも『fours』と呼ばれるだけあって相当強いのにそれ以上ってどんだけだよ。
山﨑「嫌なら、いいんだぜ。別に?」
俺 「嫌じゃねぇよ。楽しみなんだよ」
山﨑「嘘つけよ」
俺 「嘘じゃねえよ」
山﨑「結局、自分の身は自分で守らないといけないからな」
俺 「まぁ、そりゃあそうだ」
たしかに、そこに行くのであれば半分死も覚悟しなければならない。でも、俺はそんなしょうもないことで死んでられない。こんなしょうないところで死ぬために生まれたんじゃねぇ。
山﨑「後悔すんなよ」
俺 「後悔はしねぇよ。するなら、いかなかった後悔だ」
山﨑「随分かっこいいじゃねえか」
自分にヤレると言い聞かせた。




