11月10日 解散
山﨑「急になんだよ?」
俺 「お前の面見たくなってな」
気がつけば、俺は山﨑と会っていた。ここ最近、山﨑とは会っていなかった。あの日の真相も含めて、俺は聞きたいことがたくさんある。
山﨑「それは、ケンカうってるのか?」
俺 「どうだろな」
もともとビビるタイプではない。今は失うモノもないし、余計戦闘モードでもあった。
山﨑「お前、『fours』知ってるだろ?」
俺 「ああ。知ってるよ」
そういえば、『fours』はどうなるんだろうか?あれは、高校生卒業とともに解散となるんだろうな。
山﨑「アイツら目をつけられてるの知ってるのか?」
俺 「知らねぇな。誰からだ?」
目つけられてるなんて初耳だった。
山﨑「ヤクザみたいなヤツだ」
俺 「まじかよ、なんで狙われてるんだ?」
ヤクザなんて絡まれたら、とんでもねぇな。ただ、そのセリフに興奮している自分もいた。やっぱりおかしいのだろうか?
山﨑「さぁな。俺はここからは、知らない。アイツらをさっさと解散させろ」
俺 「そんなの無理に決まってるだろ。俺も関係ないんだから
」
正直、『fours』は、俺の関係ないところで作られたもので、俺はかかわりようがなかった。
山﨑「そんなん言ってたら命亡くなるぞ?」
俺 「は?じゃあ、俺がそいつらに会いに行くしかないだろ」
山下たちにかかわらないなら、俺がいくしかない。
山﨑「やめとけ。向こうは拳銃持ってるかもしれないんだぞ?」
俺 「面白いじゃねぇか」
体の中がゾクゾクする感じがする。
山﨑「ホントにお前は、怖いもの知らずだな」
俺 「ハハハハ。かもな」
言われた通りかもしれない。たしかに今は怖いもの見たさがあるのかもしれない。
山﨑「そんなんじゃ命いくつあってもたんねぇぞ」
俺 「俺は、失うものないからな」
もう近くには誰もいない。あとは自分でぶち上げるしかない。
山﨑「お前、いつも一緒に5人くらいでいただろ?」
俺 「ああ。だが、あれも解散したよ」
さっそくつっこまれたか。まぁ、別にいいんだけど。
山﨑「そうなのか?」
俺 「ああ」
山﨑「なら俺といくか?」
俺 「行こうぜ、俺をワクワクさせてくれよ」
ニヤリと笑う山﨑についていくことに決めた。この後、どんな絶望があるかは俺にはわからなかった。




