9月8日 卒業先
コイツらといれるのも後半年。一日一日が大事だった。それぞれが、卒業先の進路を決めている中、俺は全く決まっていない。正確に言えば、決めたくないのかもしれない。ずっと、コイツらとバカやってることの方がおもしろいからとかそんな簡単なことじゃない。これ以上、面白いことなんてこの先、待っていないんじゃないかと思ったからだ。
実際、そんなことないのはわかるし、そうなんだと思う。でも、何がおもしろいんだろう?普通に大学行って、遊んで、社会人なって、結婚して、子ども産んで、、、、。こんなありふれたことを俺はしたくない。そんなことを考えるなんて、俺ぐらいだろうか?周りが話している中、俺は、こんなことを考えていた。いつの間にか話題は、今日の放課後についてだった。
村田「今日、どうするんだ?」
山下「今日って放課後、なんかあったんじゃねぇの?」
たしかに、先生がホームルームでそれらしきことを言っている気もしていた。俺たちは、いつものように5人で話をしていた。ここは、多くの人が来るから、俺たちの友だちが誰か通るたびに話しこんでいた。今は、横で佐藤が俺たちのクラスの柏木と話し込んでいた。
谷口「ああ。体育祭のやつじゃない?」
村田「まじか、なんもできないじゃん」
たしかに、そろそろ体育祭の時期だ。
谷口「めんどくさ」
村田「体育祭っていつなん?」
谷口「さぁな」
村田「ハハハハ」
谷口「先生の話聞いてないからな」
今日も、みんなの笑い合う声が響きわたっていた。
村田「山下、体育祭っていつ?」
山下「んー、、、、」
山下は、考えたていた。
村田「知らんの?」
山下「9月中旬じゃない?」
村田「じゃあ、そろそろ練習も始まるんじゃないの?」
もう、体育祭の時期かぁ。体育祭練習は、ホントにめんどくさい。クラスリレーとかの選出されてもダルいし。俺は、バスケ部だったこともあり、2年連続でリレーは走らされていた。たしか、去年はアンカーを走らされたっけな。1位で回ってきて、誰にも抜かされずゴールした記憶があった。
ここにいるみんな、全員がリレーで走っていた。今年も走るんだろうか?村田、佐藤は、野球部。谷口は、サッカー部。そして、山下は、テニス部だった。コイツらと走れると思うと楽しめるんじゃないか。例の山﨑については、一度忘れることにした。無理に詮索してもあれだし。