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11月9日 谷口颯斗

 谷口颯斗は、ただならぬオーラがあった。アイツと初めて話したのは山下とのケンカの時だった。山下と肩がぶつかっただけなのに、いきなり殴りかかったのだ。俺も、いきなりのことだったので呆気にとられていた。しかし、山下も山下だ。殴られた谷口にすぐり殴り返したのだ。そこからは、馬乗りになり、拳のぶつかり合いだった。山下と谷口がケンカした場所が、廊下だったこともあり一気に人がやってきたのだ。お互い先生が静止させようとするが、全く止まらない。先生なんていてもいないよう感覚だった。お互い殴り合いしすぎて、殴り合いが終わった頃には、停学が待っていたのだ。

 お互い校長室に呼び出される結果になった。しかし、ケンカになった理由を聞かれてもお互いを否定するようなことは言わなかった。俺は、その場にいたこともあり、2人の様子を冷静に見ていた。なかなか先生が納得しないこともあり話し合いは続いていく。そんな状況に痺れを切らしたのは2人ではなく、俺自身だった。先生を抑え、二人で校長室から連れ出したのだ。


 ー2年前ー


 山下「帰るぞ」

 俺 「おう」


 後ろからただならぬ圧を感じる。ゆっくりと振り返ると、谷口が立っていた。


 谷口「おい、お前帰るのか?」


 俺は、山下の肩をたたく。


 山下「もう一回やられたいのか?」

 谷口「望むところだよ」


 二人の間に入るようにして声を出した。


 俺 「やめとけやめとけ」

 

 なんとかしないと。


 俺 「そう言えばお前、村田と仲良いんだろ?」


 少し表情を変え俺の方を向いた。


 谷口「村田は、普通だよ」

 俺 「この前話した時、仲良いって言ってたぜ?」

 谷口「普通だよ、普通」


 さっきまでの圧がだいぶなくなってようだ。すると、後ろからもう一人の圧がやってきた。谷口は、全く怯むことはない。何をしようとしているのか?


 山下「おい!」

 谷口「あ?」


 再び、谷口の圧が出てきた。凄いな、コイツも。ていうか、再びケンカしないでくれよ。


 山下「お前、もう一回シロクロつけようぜ」

 谷口「もういいよ。俺はお前とはやらないよ」

 山下「ビビってんのか?」


 谷口は、山下の挑発にはのってこない。


 俺 「おい、もういいだろ?もういくぞ」

 

 すました顔で俺の方を見てきた。もしかしたら、山下はもう一度ケンカがしたいというのが本音なんだろうな。

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