11月6日 山下達也
俺は、山下と放課後にベラベラと喋っていた。これまで一緒にいた谷口、村田、佐藤たちと絡むことは徐々に減っている。これは、山下も感じていた。当たり前だけど、やっぱり寂しい。
俺 「進路どうするんだ?」
山下「何も考えてねぇな」
やっぱり、そうだよな。
俺 「そうかぁ」
山下「お前は?」
ここ最近、いろいろ考えて思ったことがあった。
俺 「相変わらず、見つからないけど」
山下「一緒だな」
俺 「でもさ、俺なんかしそうなんだよな」
山下「え?どういうこと?」
真っ直ぐな瞳を見つめた。
俺 「将来に不安がなくなったというか」
山下「そうなの?」
俺 「ああ。なんか、自分でもよくわからないんだけどな」
なんとなく山下は、納得した様子だった。
山下「俺は、そういう自信あるお前嫌いじゃないよ」
俺 「なんだよ、それ」
山下「高校卒業しても、俺たちならなんかになれそうだな」
俺 「ハハハハハハ。そりゃあ、そうだな」
お互いの顔を見ながら笑い合った。
山下「俺たちもバラバラになる時期にきたよな」
俺 「そうだな」
山下「明確に目標がアイツらと俺たちとは差があるんだろうな」
俺 「ふーん。差ねぇ、、、、、、」
明確に目標がある奴の方が上だと言われると、それは癪に触るというのは事実だった。
山下「なんだよ、納得いかないのか?」
俺 「そりゃあ、上って言われるとな」
山下「上ってことはないけど、目標がある奴は強いよな」
俺 「目標かぁ」
目標らしい目標なんか見つからない。
山下「目標ねぇの?」
俺 「俺が目標もったら、無双するぜ?」
山下「ハハハハ。なんだよ、無双って」
言ってみたものの、自分でもそれが何なのかはわかっていなかった。
俺 「じゃあ、俺たちもそろそろ解散か?」
山下「それはありかもな」
俺 「えー、そうなのか?」
解散かぁ。まぁ、それも一つアリな気がしてきた。
山下「お前が言い出したんだろ?」
俺 「それは、そうだな」
もう、ここまでちゃんと学校に来たし単位は最低限とれている。最悪、学校にすら行かなくてもいいとすら思った。
山下「今までありがとうな」
なぜかわからないけど、山下は右腕を出してきた。これは、ノリなのか?本当なのか?よくわからないけど俺も右腕差し出した。




