10月29日 守る
昨日、煽られたことによって俺は一気に自分の中で火がついた。けど、こんな単純な理由でいいのかなと思ってしまう自分もいた。けど、あそこで引き下がるなんて俺自体が受け入れられなかった。ただ、出るからには勝つための方法を考えないといけない。
俺 「お前、ちゃんとやれよ」
山下「俺は、お前みたいに争う理由はないけどな」
俺 「争えよ」
『fours』と争うことが決まってもコイツは変わらなかった。そんな自然体のコイツだからこそ、人が集まるのかもしれない。
山下「無駄な争いは興味ないからな」
俺 「争えよ、こういう時こそ」
なぜ、こんなに冷静でいれるのか俺には理解できない。
山下「でも、俺が本気になったら怖いぞ?」
俺 「俺よりか?」
山下「ああ」
凄い自信だな。どこから、その自信が湧いてくるのか俺には理解できなかった。
俺 「相当な自信だな」
山下「お前と一緒の俺が、お前より弱くてどうする?」
俺 「なんだ、それ」
何が言いたい?それは?俺は、山下を見返した。
山下「どんな時でも、俺はお前より強くありたい。それが俺の信念だ」
俺 「ハハハハ。面白いな」
正直嬉しい。俺のことを一人でも本気で想ってくれている奴がいることは。でも、それは違う。
山下「もっと尊敬しろよ」
俺 「本当にそうだったならな」
後ろにいた俺の方を見てきた。
山下「どういうことだ?」
俺 「お前が俺より強いことはない」
これは、正真正銘のことだ。タイマンだったら、絶対負けることはない。
山下「え?」
俺 「お前が俺を守るんじゃない。俺がお前を守ってやるんだ」
少し照れてる山下がいた。
山下「へぇー。それは、楽しみだな」
俺 「今度やる時に白黒つけねぇとな」
山下「だな」
でも、話していたらアイツらに勝てそうな気がした。
俺 「絶対俺が勝つ。見とけよ」
山下「じゃあ、アイツらには負けないってこと?」
俺 「ああ。俺が一番だ」
三上も東藤も宝来も工藤もまとめてぶっ潰す。
山下「楽しみだな」
俺 「俺が勝ったら、どうしてくれる?」
一瞬考えた後、答えた。
山下「奢ってやるよ。ナンバー1になったら」
俺 「楽しみだな」
決着となるボクシングは、明日。どういう感じでやるかはわからないけど。




