10月27日 fours3
山下「明日楽しみか?」
俺 「いや、そんなことはないな」
明日は、『fours』に会うことになっていた。俺は、望んだなかったが、どうしても山下が行くときかなかった。
山下「なんでだよ、アイツらとちゃんと話すの初めてだろ?」
俺 「初めてだけど、アイツらめんどくさいだろ?」
アイツらとは、極力会いたくない。それが本音だった。
山下「誰が一番めんどくさい?」
俺 「全員だろ」
誰かとかじゃない、全員そうだ。
山下「特に誰かだよ?」
特にって言われるとアイツらだろうな。
俺 「宝来、工藤の聖徳コンビだろ」
山下「あぁ、アイツらか」
宝来、工藤、かぁ。コイツらに加えて、沢田を入れると聖徳高校サッカー部を支える選手と聞いていた。
俺 「アイツらってサッカー部なんだろ?」
山下「ああ。選抜になるくらい上手いらしいよ」
俺 「そんなに上手いんだ」
明日は、誰と喋ろうか。迷ってしまう。
山下「ああ。アイツらは、化け物だよ」
俺 「ボクシングしてる場合じゃねぇだろ?」
アイツらは、もっとサッカーをすべきだ。ボクシングすることには意味がない。
山下「そうなんだよな。暇なんじゃない?アイツらも」
俺 「聖徳って、全国大会行ってなかったっけ?」
俺が覚えている限りだと、テレビにも映っていた。
山下「行ってたよ」
俺 「凄いな、ホントに」
でも、ここに山下が入っても遜色ないのはほんとうだ。
山下「だろうな。でも、三上も東藤も凄いぜ?」
俺 「そうなのか?」
コイツらが素でケンカするのを見てみるのも面白い気がする。ただ、俺がするのは嫌だ。
山下「ああ。ケンカしたら、絶対負けるな」
俺 「そんなに強いんだ」
やっぱりそうだ。山下ですらビビってるのに、俺なんかしたら大変なことになる。
山下「あの二人は、キレたら終わりだぜ?」
俺 「お前、見たことあるのか?」
山下「ああ」
どんだけ怖いんだよ。怖すぎる。ただ、三上や東藤たちのこれからは気になる。今みたいにずっとヤンチャすることもできなくなるだろう。
山下「だから、明日はちゃんと来いよ」
俺 「わかったよ。でも、早く帰るかもしれないからな」
山下「それは、許してやるよ」
なんでお前に許してもらわないといけないんだよ。そんなことを考えながら山下を見ていた。




