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10月23日 遠藤江VS工藤明弥

 俺は、明後日からあのジムに行くことに決めた。何があるかはわからないけど新しい自分になれる気がしたのだった。


 ー10月20日ー


 気がつけば、俺はリングに上がっていた。俺の目の前にいるのは、聖徳高校の工藤明弥。たしか、コイツはサッカー部だったはず。聖徳高校のヤンチャな奴と言えば、もう一人。宝来海斗がいるはず。コイツもサッカー部だった。こんな二人がいるサッカー部は、なんか凄いな。リングの上で、俺たちは、激しく打ち合っていた。当たり前だけど、工藤は手加減してくれている。俺の気を逸らさないよう絶妙に上手く。

 赤コーナーにいるのか工藤。俺は、青コーナーにいた。青いヘッドギアをつけながら工藤の攻撃を防ぐ。工藤は、力強いパンチで俺を攻め立ててくる。さっきまでの余裕はいつしかなくなっている。それでも、力を抜いたらその瞬間終わるんじゃないかと思ってしまったのだ。俺は、ずっと自分のことがよくわからないでいた。いつもよくわらかないけど、常に山下がいて、それに伴うように谷口、村田、佐藤たちがいてくれた。ずっと、不思議だった。なぜ、俺のところにいるのだろうと。もっと見わたせば、おもしろい奴がたくさんいるのに。

 工藤は、素早いフットワークで俺のパンチをかわしていく。さっきまで当たっていたのに、もう当たらなくすらなっている。俺は、カウンターを狙うしかなくなっていた。すると、工藤は、俺の顔面に右ストレートを振り抜いた。ヤバい、痛すぎる。少し倒れそうになったが、なんとか下半身に力を入れる。確実に顔面の左側を捉えていた。よろめきながらも、なんとかすぐに反撃するため、パンチを繰り出した。しかし、こんなものすぐに交わされる。余裕しゃくしゃくのコイツに俺は、納得いっていなかった。

 俺は、リングの端においこまれていく。今度は、工藤の左フックが俺の顎に叩きこまれてしまった。ヤバッ、、、、、。もう、立っているのですら精一杯だった。それでも、こんなところで終わりたくなかった。片膝をついてしまったがすぐに立ち上がる。しかし、工藤の攻撃は終わらない。さっきの攻撃が体にダメージを与えているみたいだ。いよいよ息が上がり、足取りもおぼつかない。そろそろ終わってしまうのだろうか?今度は、右クロスを顔面に叩き込んだ。再び、俺は、ダウンしてしまう。審判の山下がカウントを数えようとしたが、そのまま起き上がる。そうだ、俺は、コイツを失望させたくなかったんだ。すると、大きな鐘が鳴り響いた。どうやら、10分が経過し、試合終了となったのだ。工藤は互いの健闘を称え合い手を差し伸べてくれたのだった。

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