10月21日 ジャンキー
昨日は、本当に刺激的な1日だった。ここ最近、あんなに興奮した日はなかった。一度味わうと、また味わいたくなる。俺は、いつしか『fours』のジャンキーになっていたのかもしれない。
ー10月20日ー
ランニング、柔軟、打ち合いが終わり、いよいよ実戦形式が始まろうとしていた。だいぶ動き回ったこともあり、体が温かくなってきた。ここで、いつもやり合っているのだろうか?俺は、楽しくなってきていた。
山下「今から、実戦入るから」
俺 「そうなの?」
山下「ああ」
タイマンでの勝負かぁ。ワクワクするな。
俺 「ここって、いつからいるの?」
山下「たしか、2年前くらいじゃないかな」
だいぶ前だな。
俺 「そんな前からやってるの?」
山下「ああ。そうなんだよ」
俺 「その時から、4人?」
いつの間にか当時のことが気になっていた。
山下「いや、違うな」
俺 「どういうこと?」
何人いることがいいのかはわからない。
山下「当時は、もっとたくさんいたんだ。人が」
俺 「そうだったんだ」
山下「たしか、20人くらいかな」
俺 「そんなに?」
意外だった。そんなにいたなんて。
山下「ああ」
俺 「なんで、こんなに減ったんだ?」
山下「俺らとやりあったからだよ」
ここに、20人もの大勢がいたとは信じ難い。
俺 「どういうこと?」
山下「強い奴しか入れないんだよ」
俺は、立ち上がった。
俺 「あっ、、、、。強かったのがお前ら4人だったってこと?」
山下「そういうこと」
俺 「なるほど、だから最強なんだ」
なんとなく、辻褄があった。これで、高校生の中で最強の4人という肩書きは理解できた。すると、前から工藤がやってきた。
工藤「暇だったらやろうぜ?」
俺 「ああ、いいぜ」
もう、ハイの気分だ。グローブをつけたせいか、もう止められる感じがしなかった。
工藤「お前、淮南だよな?」
俺 「ああ。山下より強いから」
工藤がクズに見えてくる。そんなことは全くないのに。
工藤「凄い、自信だな」
山下「こういうやつなんだよ」
明らかに悪口だ。けど、そんなのはどうでもいい。とにかく、やりたい。それだけだった。
工藤「そうなのか?」
山下「ああ。楽しみだろ?」
どうなるかはわからないけど、楽しみだ。




