9月6日 追跡
久しぶりに、俺は一人でいた。コイツらのことを考えてしまうと、どうしても頭が混乱してしまう。それでも、俺は、コイツらがいない人生なんて考えることはできなかった。
ー9月5日ー
俺たちは、電話をしていた戸田の近くにいた。
山下「どうした?」
戸田「俺の後輩が、さらわれたんだとよ」
スマホをソファに投げ捨てた。ソファに吸い込まれるようにスマホは、受け止められた。
山下「さらわれた?」
戸田「ああ」
天井を見ながら、ソファに座った戸田。
山下「手がかりは、ねぇのかよ」
俺は、山﨑のことを思い出していた。
戸田「わかんねぇ。でも、電話かけてきたやつは、車でどっかに行ったっていってた」
車ねぇ、、、、。なるほど!
俺 「車ってことは、大人かぁ」
戸田「そうなるな」
大人ってことは、なんか山﨑と関係あるのかな?
俺 「今から、どうするんだ?」
戸田「当然、おいかけるに決まってんだろ」
やっぱり、コイツは焦ってる。だが、チャンスだ。
俺 「だったら、俺たちも連れて行け」
戸田「は?お前たちなんて連れて行けるわけねぇだろ」
でも、コイツは急いでいるから、俺たちとモメてる暇はねぇはずだ。
山下「やめとけ、戸田」
戸田「あ?」
俺は、入り口の方に歩いていった。
山下「コイツ、言い出したらキリねぇぞ」
戸田「知らねぇよ」
俺たちを案内した男が、後ろから走ってくるのがわかった。しかし、こんなところでは終われない。男の攻撃を交わして胸ぐらをつかんだ。何も言えねぇコイツは、殴る価値もなかった。
山下「いいから、俺たちも連れて行け」
俺がそれ以上、手を出さないように山下は声を出した。
戸田「知らねぇからな。死んでも」
俺たちのことを諦めた様子だった。
山下「死なねぇよ、俺たちは」
戸田「勝手にしろ」
俺は、男の胸ぐらから手を離した。男は、もう何もしてこなかった。
山下「それよりも、お前は、山﨑を全くしらねぇのか?」
戸田「ああ。身に覚えがねぇ」
やっぱり、山下も気づいていた。山﨑との関係。
山下「なるほどな。じゃあ、連れてかれた後輩とその山﨑とのつながりは、ありそうか?」
どう考えても、山下のいう通りだ。ここからは、俺たちは、コイツらと一緒に進むことにした。