10月19日 紹介
俺 「明日は、集まりだよな」
山下「ああ」
ようやく、foursのメンバー全員と会える。楽しみしかなかった。
俺 「久しぶりなのか?」
山下「いや、そんなことはない」
少し声が枯れかけていた。
俺 「みんな来るの?」
山下「一応な。会ってもすることないんだけど」
俺 「いつもは何してるの?」
顔をしかめながら答えた。
山下「いつもは、トレーニングしてるよ」
俺 「トレーニング?」
高校生4人集まってトレーニングってどう言うことだよ?
山下「ああ。ボクシング的なやつでな」
俺 「まじ?面白そう」
山下「楽しみだろ?」
俺 「そうだな」
たしかに、楽しそうではあった。
山下「うん。お前とやりあいたいしな」
俺 「お前にイチコロされるだけだろ」
山下「そうか?」
山下は、ケンカとか、とても強そうな雰囲気を醸し出していた。
俺 「当たり前だ」
山下「でも、お前が本気でやれば強くなると思うけどな」
強くなるって。何を根拠に言っていんだ?コイツは。
俺 「俺は、ボクサーじゃないんだよ」
山下「お前、したいことなかったらボクシングジムで働いたら?」
勝手に話を進めていく。
俺 「どういうことだよ」
山下「ボクシングジムだったら、トレーニングもできるしお金も稼げるしいいじゃないか」
たしかに話だけ一石二鳥な気はした。けど、そんなに簡単ではないだろう。
俺 「そうなのか?」
山下「とりあえず、明日一緒に行こうぜ」
俺 「まぁ、行くのはいいけど」
行っても、あいつらとどんな話をすればいいのか?不安はなかったけど、困惑してしまいそうだ。
山下「あんま乗り気じゃねぇのか?」
俺 「そんなことはないよ。ただ、よくわからないからな」
肩を組んできた。こういうことをする時は、大抵機嫌がいい。
山下「まぁな。そんなもんだよ」
俺 「絶対違うだろ」
全力で否定した。
山下「いやいや違わないよ」
俺 「そうか?」
山下「俺から、紹介してやるから」
コイツは、俺が入って上手くやれる確信があるみたいだ。それは、それで不思議だけど。
俺 「わかったよ。行ったらわかるんだろ?」
山下「そうそう。行けばわかるよ」
とりあえず、行けばいいと言うことはわかった。あとは、当日乗り切るしかなかった。




