10月13日 本気
山下「今日のテストどうだったんだよ?」
俺 「全然だよ」
今日は、模試のテストが行われていた。
山下「まったく?」
俺 「ああ。数学とか寝てたしな」
数学のテストは爆睡だった。
山下「寝るなよ」
俺 「お前は、どうなんだよ?」
もう勉強する必要がない山下は、どうなんだ?
山下「俺は、解けないなりに解いたよ」
俺 「何点ぐらいの予想なんだ?」
解けないなりにって何なんだよ。疑問が残る。
山下「そうだな。50はあるかな」
俺 「それは、凄いな。勉強したのか?」
50もあるのか。相変わらず、コイツの潜在能力には驚かされるな。
山下「昨日だけな」
わずか、1日の勉強でこれか。
俺 「それでも、凄いな」
山下「お前もやればとれるだろ?」
俺 「俺は、賢くないから無理だよ」
山下の様にセンスで問題を解くことはできない。
山下「本気出してやれよ」
俺 「ムリムリ。絶対無理だよ」
山下「そうか?そうやって、本気出さなかったらわ高校生活終わるぞ」
なんと返していいかわからない。
俺 「まぁ、そうなんだけどさ」
山下「もっと本気出せよ」
俺 「そうだよな、、、、」
山下の言うことは理解できた。しかし、自分の中でやれるという自信がなかった。
山下「やれることかでいいんじゃないの?」
俺 「やれること?」
山下「例えば、単語テストみたいな簡単なやつだよ」
山下は、そう考えるのか。俺とは、思考が真逆だった。
俺 「そういうことね」
山下「それだったら、お前もやれるだろ?」
俺 「たぶんな」
山下「やれるよ、お前なら」
なぜか、激励されていた。
俺 「すぐ、飽きてしまうんだよな」
山下「お前、飽き性だもんな」
俺 「そうなんだよな」
山下の言う通りで、俺はすぐ飽きてしまう。
山下「もうちょい続いたらな」
俺 「だよな」
山下「とりあえず、なんかは本気出せよな」
俺 「いいのが見つかったらな」
本気ねぇ。なんとも答えにくい。
山下「そう言う時、絶対見つからないだろ」
俺 「さぁ、どうかな」
山下「お前が見つける気ないだろ」
俺 「そんなことねぇけど」
やる気があると言えば嘘になるけど、やる気がないわけではない。
山下「そうか?」
俺 「ああ。気にしないでくれよ」
山下「気にするだろ」
俺は、いつものように空を見つめていた。




