表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/75

10月12日 お風呂

 俺は、静かな夜、浴室に入りこれからのことを考えていた。山下のように就職を選択することも一つの道だった。しかし、今の俺ではその選択はできなかった。自分の中で大学進学は、逃げのような感覚。それでも、就職よりは自分に合っている気はしていた。自分でもよくわからないけど、このままいってしまうと何か起きる気がしていた。それは、良いことか悪いことかはわからないけど。

 俺は、温かい水が俺の肌に触れた。最初は、熱さが勝っていたが徐々に身体の中まで入っていく感じがする。湯船にお気に入りの泡風呂剤を入れ始めた。そして、お気に入りの曲をタブレットから流し始めてさらに身体を湯船に沈めていく。これ以上ないリラックス効果だ。温かく包まれるような感覚に俺は満足げな表情を浮かべ、目を閉じた。体は浸かっているだけで十分に癒された。俺にとって、風呂に入るということは相当疲れをとってくれるんじゃないかと思っていた。

 しかし、機嫌が悪いとそんなことすら考えられないこともある。そういう意味では、今日はまだ入浴を楽しむ余裕があった。俺は、浴槽から出て、体を洗うことにした。俺は、手に泡を取り、身体を優しく泡立て始めた。疲れた足裏を心地よくマッサージすると、自然と自分の心も浄化されるようで落ち着いていった。この洗っている瞬間わ、一日の疲れやストレスが徐々に消えていく。私は、この瞬間がとても好きだった。

 体についた泡をシャワーで洗い流していく。流れていく泡は、まるで俺についたストレスのようだった。体の泡を一通り洗い流すと、今度は髪の毛を洗うことにした。俺は髪を洗うためにシャンプーを手に取った。シャワーの水流と泡が交じり合い、足元は、ら白く濁っている。俺は指で髪をもみ、慣れた手つきで髪を洗い始める。その瞬間、幼い頃に戻ったような気がした。いつも守ってくれた母や祖母が、何故かそこにいるような気がした。普段なら、こんなことを考えないのに。

 再び、シャワーをとり、シャンプーを流しながら髪を整えていく。そして、再び湯船に身を沈めた。今度は目を閉じながら、ジャズの様なゆったりとした曲に合わせて息を吐いた。自分だけの癒しの時間を満喫することは、俺にとって幸せな時間だった。俺は、入浴を終え、最後にシャワーで身体を流した。そして、バスタオルで身体を拭き、髪にドライヤーをかけた。こんな気持ちでこれからも毎日生活するんだと思えば、複雑な気持ちだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ