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9月31日 体育祭9

 俺たちは、久しぶりにいつものように集まっていた。もう10月というのに、まったくそんなものは感じさせないような季節だった。俺は、みんなが集まって話しているのを聞きながら、これからのことを考えていた。どうしても、これからのことを考えると、退屈に感じてしまう。そんなことを考えているのは俺だけなのだろうか?今が楽しすぎて、これからのことをどう考えれば正解なのか戸惑っていた。


 ー9月22日ー


 ピストルの合図とともに、俺たちの応援合戦が始まった。俺は、応援団長になった五十嵐を見ながら、バク転の準備を始めた。同じ団員の水城や柏木もどこか緊張しているように見えた。五十嵐は、手をあげて、声を出した。"お願いします!!!"。小柄な女の子とは思えないくらいの声量だった。このくらいの声量があれば、審査員にも聞こえているだろう。

 クラスのみんなも、五十嵐に続いて一斉に声を出した。一番始めは、ボードを使用した文字や絵のアート。これは、柏木が出した案だった。俺たちが想定していた通り、遠くからとてもキレイに見えていた。

 しかし、俺は全く緊張していない。こんなのでいいのだろうか?バク転をする時に、きちんと成功させたら100点。失敗したら0点というわかりやすい指標があった。みんな一生懸命、練習していたし勝たしてやりたいという想いは嘘じゃなかった。  

 そして、2つ目のメガホンを使用した応援歌が始まった。これは、全員から出た案だ。応援歌とともに、ダンス班の女子たちがそれぞれの位置についた。これは、向井がどうしてもしたいと言っていたダンスだ。

 まぁ、応援合戦なんて、相対的なものだからいいかどうかなんて俺たちにはわからない。俺たち3年は、6クラスあるからその中でいいところがどこかは、審査員の好みになるとふんでいた。

 俺は、3年の中の6クラスだと、一番4組が面白いと思っていた。応援団長には、黒田がしていた。黒田は、バスケ部キャプテンで成績も優秀。一番は、めちゃくちゃ面白いというところだ。この前の練習では、笑いと歌を融合させた応援をしていた気がする。俺だけでなく、3年は4組が優勝するとみんな思っていたくらいだ。

 俺たちの応援合戦も終盤に入る。バク転の準備をするために俺はしゃがみながら、みんなの方を向いた。成功する自信はある。あとは、信じるだけだ。水城の合図とともに俺は、走り始めた。

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