9月29日 体育祭7
もうすぐ9月も終わる。俺は、この前の体育祭で使用していたプリントをゴミ箱に入れた。こんなこともあったなぁ。俺は、つい最近行われた体育祭が、だいぶ昔のことのように感じていた。
ー9月22日ー
応援合戦開始まで、まだ時間があった。俺たち応援合戦メンバーは、応援合戦開始を待っていた。クラスの生徒たちは後ろに、俺たちは前にいながら、話をしていた。水城、柏木、向井、春田、五十嵐。このメンバーでやるのも今日が最後かぁ。そう思うと、どこか考え深かった。
水城「よっしゃあー」
俺 「緊張するな」
水城「まぁな。でも、ここで終われねぇからな」
本部の横には、7分と表示されていた。これは、応援合戦開始までということなのだろう。今年の応援合戦は、学年ごとに行われる。他のクラスも準備を始めていた。
柏木「お前、ほぼ何もしねぇだろ」
俺 「誰のせいでそうなったんだよ」
相変わらず、いじってくる。
柏木「お前が隠すからだろ。五十嵐に感謝しろよ」
俺 「感謝するのはお前らだろが」
反論するもコイツらは聞く気がねぇ。
柏木 「ごめんね、五十嵐」
五十嵐「許してあげるよ」
五十嵐は、どこか緊張している様子だった。
向井 「実咲は、優しいからね」
春田 「ホント優しいよね」
五十嵐「そんなことないよ」
話していても緊張が伝わってくる。俺は、コイツらと話しながらバク転のイメージをしていた。
水城 「これで失敗したら、確実に奢りやな」
柏木 「それな。どこがいいやろなぁ?」
ミスるほうが確率だと高いだろ。コイツらに腹が立つ。
向井 「お寿司がいい」
春田 「いいね。実咲もお寿司食べたいでしょ?」
五十嵐「うん。ミスしたら連れてってもらおう!」
普段は、放課後にクラスの奴らと会うことはない。そういう意味ではいいのかもな。
俺 「なんでだよ」
水城 「あと、5分かぁ」
柏木 「長いよな」
再び本部の残り時間を見た。
五十嵐「私のタイミングで始めたらいいんだよね?」
不安そうに水城たちに声をかけた。
水城 「ああ。どのタイミングでも合わせるよ」
五十嵐「ありがとう」
みんなどこか心配している。
向井 「失敗したら、フォローするかね」
五十嵐「うん」
残り3分。俺たちは、6人で円陣を組んだ。




