9月23日 体育祭2
昨日の体育祭から一転、今日は、全く動かずベットの中で過ごしていた。
ー9月22日ー
各クラスの応援が大きくなる。保護者も多く見にきているみたいだ。リレーの出場選手は、グランドの真ん中に集められていた。そして、体育委員が並ぶように指示した。横に来た山下が話しかけてきた。
山下「どう?」
俺 「どうだろな」
各クラスの応援で山下の声も聞こえにくい。
山下「アンカー勝負がいいな」
俺 「それは、楽しみ」
山下「4組のアンカーって、誰?」
俺 「アイツじゃねぇのか」
俺は、奥にいた4組の生徒を指差した。並び順を見ると、野田だろうな。アイツは、陸上部。簡単には、勝たせてもらえない。
山下「野田かぁ」
俺 「自信あんの?」
山下「陸上部抜いて優勝する方がいいじゃねえか」
相変わらず、山下は、大したヤツだ。こんな状況で言えるなんて。一方の俺たちも負けていなかった。第一走者の柏木は、3組の生徒に手を振っており、第三走者の水城は、2年の生徒たちと話をしていた。
先生「じゃあ、そろそろ始めます!!第一走者は、前に来てください」
各クラスの第一走者が前に立った。俺は、柏木を見つめた。横からは、太鼓の音声が聞こえてくる。そして、横断幕も掲げて、旗も振られている。位置についた6人の生徒は、先生のピストルの音が鳴らなされるのを待った。
"パンッ"。ピストルの音はかなり大きく、近くにいた俺まで耳を抑えるくらいだった。号砲と勢いよく飛び出したのは、我らが3組の柏木だった。柏木は、6人の先頭で第一コーナーを曲がった。柏木の表情は、どこか硬く力が入っているのがわかった。そして、後ろから、4組の谷口、5組の川口たちが追っていた。
第ニコーナーを過ぎた頃、後ろの谷口が柏木をさらりと抜かした。谷口は、やっぱり俊足だった。明らかに、他のやつと速さが違う。口だけでなく、行動で示すそれが谷口という男だった。そんなことをしていると、今度は、川口が柏木と並ぶ。並走した状態で第三コーナーを周った。
並んだ瞬間、グランドからは大きな声援が上がった。俺は、腰に手を当てながら、柏木を見守った。先頭の谷口は、そのまま1位でバトンをつないだ。谷口に続くように川口と柏木もやって来た。1位との差は、そんなにない。この程度であれば抜ける。3組のバトンは、柏木から東間へと渡っていった。俺たち3組は、ちょうど真ん中の3位の様子だ。第二走者が走り出す頃には、さらに盛り上がりを見せていた。




