9月21日 リレー予選会
いよいよ明日は、体育祭予選会。俺たち、リレーメンバーは、それぞれ準備を始めていた。予選会は、全学年全クラスで行われる。男子が走り終わった後に、女子が行くという流れになっていた。男女ともに、3つのグループに別れ、上位2チームが明日の体育祭で走れることに決まっている。
俺たちは、Aグループ。一番最初に走るということもあり、やや緊張感が漂っていた。最大のライバルは、3年1組と2年3組だ。どっちにしろ、2位以内に入ればそれでいい。俺は、スタートのピストルの合図を待った。そして、リレーが始まった。
3年3組の第一走者は、柏木悠馬。スタートの合図とともに、柏木は、勢いよく飛び出した。俺は、腕を振りながら、柏木の様子を見守った。柏木のスタートダッシュに、3年1組の中田と2年3組の山岸がついていく。3人は、ほぼ同時に第三コーナーを回る。
やや、中田リードで、第二走者へバトンが繋がれた。俺たちは、柏木から東間管人に。1組が少しだけリードをした状態で、前へと進む。俺たちは、2年3組の生徒と競っている。東間は、前を追うがなかなか距離が縮まらない。それでも、前へと必死に追っていく。
東間のバトンは、第三者走者の水樹に渡った。水城は、3組の生徒を抜く。それと同時に大きな歓声が上がった。1位の1組高橋との距離がだんだんなくなっていく。そして、第三コーナーを曲がった時に、首位が交代となった。水城は、余裕の表情をしながら走っていた。
体育委員から、最初にレーンに入るように指示される。2回ほど飛び跳ね、レーンに入った。水城は、バトンを前に差し出す。俺は、そのバトンをもらうと同時に走り出した。バトンを受け取るとともに、"頑張れよ"とエールが送られた。俺は、バトンを右手に持ち、一歩ずつ前に進める。1位ということもあり、グランドが大きく見える。これが、2位以降だったら異なるんだろうな。俺は、そんな気がしていた。チラッと後ろを見るも、誰も来ていないことがわかった。第三コーナーを周った頃に、ゴール地点を見つめた。すると、柏木、東間が待ってくれていた。
いける!。俺は、自信をもって、力強く走り続ける。第四コーナーを周ると、さっきまで走っていた水城もかけつけてくれていた。もうすぐ、ゴールだ。女子生徒2人がゴールテープを持って引っ張っている。ゴールの先にいる3組の生徒に向かって俺は、駆け抜けたのだった。




