9月3日 影
俺たち、3年生はあと半年で卒業。でも、そんな雰囲気は全くなかった。今日も、村田と谷口がとても騒いでいた。ただ、昨日、俺が山﨑の所に行ったことは、誰も触れてこなかった。これから先も、ずっと続いている様なこの感覚は間違っているのだろうか?
ー9月2日ー
山下「江、何見てんの?」
俺 「あそこにさ、ずっと見てるやついるんだよね」
俺は、指を差しながら話した。しかし、村田や佐藤は見えていない様だった。
村田「全然見えねぇよ」
佐藤「誰かいるの?」
佐藤は、村田に教えていた。
谷口「あれって、、、」
山下「山﨑じゃない?」
村田「誰、それ?」
俺は、頷いた。山﨑嶺埜。中学校までは、八代西中学校出身で、俺と同じだった。昔から一人でいることが多かったが、成績優秀でスポーツ万能だった。
佐藤「有名なの?」
山下「それなりにな。でも、一人でいるから、あんまな、、、」
村田「どういうこと?」
山下「簡単に言えば、絡みづらいってことだ」
要約してくれた。
村田「山下、見てこいよ」
山下「んー。行ってなにすんの?」
サッカーボールを蹴りながら、話していた。
村田「しばいてこいよ」
俺は、山﨑がなんでこっちを見ているのか考えていた。今は、昼休み。アイツは、何かを示しているようだった。すると、後ろを振り返り歩き出して行った。
村田「おい、歩き出したぞ。いかなくていいのか、山下?」
山下「そう言われてもなぁ、江?」
気がついたら、俺は足が動いていた。山下が話しかけるも徐々に距離が離れて聞こえなくなった。5秒ほど走ったら、奥に山﨑が見えた。
俺 「やまさき!」
勢いよく、山﨑は、ふりかえった。
山﨑「ん?」
身長が高いから、俺は見下されている様に感じた。
俺 「何で見てたの?」
山﨑「知りたい?」
俺 「ああ」
山﨑「お前らさ、気をつけた方がいいぞ」
俺 「えっ、どういうこと?」
何を言ってるかわからない。
山﨑「なんか、お前ら一緒にいる山下狙われてるらしいぞ」
俺 「誰に?」
山﨑「八代総合高校のやつ」
八代総合高校と言えば、昔からある学校でここ最近他校と統廃合された学校だった。統廃合されたばかりで、どんな学校になったのかはよくわからない。
俺 「名前しってるか?」
山﨑「戸田奈翁。俺、戻るわ」
右手を挙げて、戻っていた。何者なんだろう?