9月19日 変更
体育祭まで、残り3日。俺は、リレーと応援合戦で勝つことを目標に決めた。今日も練習は続いていた。俺たちは、ちょうど通し練習を終えたところだった。
水城「おけぃ、休憩!!」
水城の合図とともに、他の生徒たちは、声を出した。男子は、堂林を中心に盛り上がっている。
向井「ねぇ、ねぇ。こん中で、バク転できる人いる?」
しかし、誰も応答が返ってこない。
水城「バク転なんて、なかなかできる人いねぇよ」
柏木「そりゃあ、そうだろうな」
水城「向井、諦めろって」
向井「んー」
向井は、渋い表情を見せた。
五十嵐「いるよ!」
みんなが一斉に五十嵐の方を向いた。
向井「誰よ?」
教室に緊張感が漂った。
五十嵐「んーとねぇ、、、、」
五十嵐は、タメを作り、私の方を向いてきた。ヤバい、言われそう。妙に、心臓の鼓動が早くなる気がしていた。
向井「実咲、誰?」
実咲。五十嵐は、みんなから下の名前で呼ばれていた。
五十嵐「遠藤くんよ」
向井「えっ、ホント?」
俺 「‥‥」
水城「できるなら、早く言えよ」
俺 「俺がしたら、誰が応援団長するんだ?」
俺の一言で教室が静かになった。
向井「それも、そうだね」
水城「んー。難しいな」
他の団員もすべて、役割が決まってるし、抜けることは難しい。もしやれるとしたら、、、、、。
"だったら、私やるよ"。またしても、声を出した生徒は、五十嵐だった。やっぱり、コイツは凄い。ただ者じゃねえ。それよりも、俺はバク転できるのか?そんな疑問も思い浮かんだ。五十嵐は、みんなが休憩している中、一人前に出てきて、向井や春田と何やら話しこんでいた。五十嵐が応援団長をするのか?俺は、みんなの様子を見ながら静かに考えこんだ。このメンバーで、応援団長ができるなら、堂林か五十嵐かいねぇな。でも、どうなんだろ?この展開でするのは?
すると、向井は、俺の方にやってきた。
向井「遠藤くん、バク転やってよ、お願い!」
俺 「いいよ。でも、誰が応援団長するの?」
向井は、笑顔で話した。
向井「さっき話してて、美咲にしてもらうことにしたよ」
俺 「まぁ、してくれるならそれでいいね」
向井「やりたかったの?」
俺 「まさかぁ。やってくれる方がいいよ」
ここで、団長からバク転係に変更することになった。




