9月17日 放課後
山下「どう、そっちは?」
俺 「まぁ、順調じゃね?」
俺たちは、放課後、自転車置き場で話し合っていた。俺は、シャーペンを出して、山下から借りたノートを書き写していた。
山下「それは、楽しみだ」
俺 「山下のところは?」
体育祭まで、残り5日。いよいよという感じだろう。
山下「あんま、練習して行ってないけどな。どうだろう?」
俺 「行ってないんかよ」
山下の顔を見ながら、ツッコんだ。
山下「それよりも、この前の山﨑の何かわかったか?」
俺 「いや、あれ以来、なんも調べてねぇな」
山下「なんもねぇな」
同意するように返事をした。
俺 「そっかぁ」
山下「どうした?」
俺 「いや、俺もずっと、引っかかってんだよ。アイツらのこと」
あの後、いろいろ考えたが、山﨑の手がかりはなかなか見つからなかった。
山下「そうだよな。わかるな」
俺 「なんか、手がかり掴めたか?」
山下「まぁ、ゼロではないよ」
俺は、急に山下の方を見た。
俺 「何かわかったことあんの?」
山下「ああ。2つほどな」
俺 「なんだよ、それ?」
2つ。どういうことだ?
山下「1つ目は、山﨑が戸田と知り合いだったこと。2つ目は、山﨑は、嘘をついていなかったこと。この2つだ」
まさか、知り合いだったなんてな、、、、。俺は、頭の中を整理し始めた。
俺 「ってことは、嘘をついていたのは、戸田ってことか?」
戸田奈翁。とてもじゃないけど、嘘をついているようには見えない。
山下「そういうことだ」
俺 「なんで、それがわかるんだ?」
シャーペンを筆箱に入れ始めた。
山下「会ってたんだよ。山﨑と戸田が」
俺 「どういうこと?」
シャーペンを入れた筆箱をかばんに直した。山下もカバンを持って立ち上がった。
山下「あれから、山﨑をはってたんだけど、つけていったら戸田と話している場面を見たんだよ」
まさかな、、、、。驚き半分、なんとも言えない気持ちも半分あった。
俺 「初めてとかじゃねぇのか?」
山下「完全にとは言えないけど、初めてには見えなかったな」
初めてじゃねえのか。そうなると、俺はどうしたらいいんだろうか?
俺 「ふーん。なるほどな、、、、」
山下「心配だろ?」
俺 「そうだな」
俺と山下は、チャリを動かし始めた。




