9月16日 片付け
教室内は、応援練習が終わり、机や応援道具がバラバラになっていた。他の生徒が帰り静まり帰った教室の中、俺と水城は片付けをしていた。
水城「眠いな」
俺 「ああ、確かに。昨日は、寝れた?」
水城「いや、ほとんど寝れてない」
コイツは、深夜に何をしているのか?俺は、不思議だった。
水城「かなり、ゴミ落ちてるな」
俺 「まぁ、しゃーないな」
みんなが使うボードを集めながら、俺の方を見た。
水城「なんか、あった?」
俺 「ん?」
どういうことだろう?
水城「江の顔つき変わったイメージ受けたけど」
俺 「俺が?」
水城の言っていることがよくわからなかった。
水城「そんなことねぇか?」
どこか、真剣な水城の顔を見ていると、とても笑いそうになった。
俺 「そんなことねぇだろ。お前の目がおかしいんじゃね?ハハハハ」
俺は、集めたボードの角を合わせた。
水城「うるせぇ」
俺 「これからどうするんだ?」
水城「なにが?」
やっぱり、水城と話していると笑いそうになる。
俺 「進路」
水城「ああ、進路ね」
水城は、俺と同様進路は、全く決まっていなかった。ただ、俺と違い、水城には、明確にやりたいことがあった。だから、そのやりたいことに行きつくための手段を考えていた。
俺 「まだ、悩んでんのか?」
水城「ああ。どうすればいいかな」
悩んでいる割には、どこかすっきりしている様子だ。
俺 「うーん、、、」
水城「お前は、どうすんだよ?」
水城は、聞き返してきた。
俺 「俺は、決まってねぇよ」
水城「だったら、お前の方がヤバいじゃねえか。ハハハ」
お互いを見合わせながら、笑いあった。
俺 「それは、そうだな」
水城「俺が決めてやろうか?」
俺 「じゃあ、お願いするわ」
またしても、俺たちは笑っていた。
水城「ちなみに、将来やりたいことは決まってんのか?」
俺 「ねぇよ。そんなもの」
水城「でも、やりたくないものはあるだろ?」
やりたくないものかぁ、、、。たしかに、そう言われるといろいろ出てきそうだな。
俺 「それだったら、あるかもな」
水城「だったら、無理にやりたいこと探さなくてもいいんじゃねぇか?」
俺 「そうなのか」
俺たちは、ちょうど応援道具を片付けたところだった。




