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2.オレ魔力を感じる

そんなこんなで2年が経ちました。

現在2歳と4ヶ月ほど。

この2年間で分かったことがいくつかある。

まずはある程度こちらの言語が理解できるようになった。

そして分かった事だが、俺の名前セインと言うらしい。

男だ。


目や耳が機能しばじめて、そうでは無いかと思ってはいたがやはりいい所のお坊ちゃんのようだ。


今日も今日とて色んなメイドさんにご飯や着替え身の回りの世話をされている。

着替えに関しては最初は躊躇いもあったが、2週間もすると慣れた。というか恥じらうだけ無駄だった。


「セイン様ご飯の時間ですよ〜」


金髪のメイドがご飯の準備をしている。

俺が一番最初に見たメイドさんだ。

名前はカミラさんと言うらしい。

俺の身の回りの世話はカミラさんが行ってくれる。

他のメイドもいるみたいだが今のところ見たことは無い。


「セイン様は本当に、お利口さんですね〜滅多に泣かれないし、ご飯もお残しにならない」


それはそうだ。

今世では2歳でも前世では20代後半のいい大人だったのだ。

今更子供らしくする方が難しい。


「セイン様もそろそろ1次魔力測定がありますね〜」


ん?、ちょっと待て、今聞き捨てならない事を言わなかったか?

この世界には魔力があるのか?

魔力があるってことは魔法があるのか?

なんだそれ!めっちゃワクワクするじゃんか!!


「まりょくそくていってなに?」


「魔力測定とは体のなかに宿っている魔力値を測るんですよ

1次は3歳、2次は9歳と計2回測ります」


「なんで2かいだけなの?」


「1回目は基礎魔力値を測ります

そこで産まれ持った才能がだいたい分かります

2回目は属性と限界魔力値を測ります

何故限界なのかと言うとおおよそ9歳以降魔力値は増えないからです」


「なるほどね、ありがとう」


なるほどね、魔力値か。

なんかいい所のお坊ちゃんみたいだし良い魔力値じゃないと親がうるさそうだな。

まぁ産まれてこの方親と会ってないんだがな。

親いるのか?

いるんだろーな。

メイドとか雇われてるし、誰が給料払ってるの?ってなるしな。

何故実の子供に会いにこないのか。

この世界の文化なのか、この家のならわしなのか、よく分からんがまぁいいだろう。

不便はさせてもらってないしな。


ただ食って寝るだけの毎日だったがここに来て楽しみが出来たぞ。

あと約半年か。言ってもまだ先だな。


食って寝る毎日を過ごしてたら半年なんてあっという間だった。

そんなわけで魔力測定だ。

ドキドキして測定が始まるのを待っていると、部屋のドアがノックされ、カミラさんが応対する。


部屋に入ってきた者を見るとなんとエルフだった。

透き通るような金髪に、先が尖った長い耳、見目麗しい男性とも女性とも形容し難い容姿。

前世の記憶とも合致する正真正銘エルフだ!


「セインお坊ちゃん、初めまして。

私は今年からお坊ちゃんの魔法の家庭教師を努めますフェンと申します。

本日は1次魔力測定ということで、よろしくお願い致します」


「初めまして、セインですよろしくお願いします

あの、初対面で失礼かもしれませんが、フェンさんはエルフですか?」


「!、よくご存知で、東の森のリューン族のエルフですよ

あと私に敬称は不要です」


やはりエルフだった!

そっかー獣人もいるしエルフもいるしこの世界の人族は多種多様なんだな!

まだ見た事は無いがきっとドワーフとかもいるに違いない。


「ゴホン、話がそれましたがそれではまず、この水晶玉に両手を掲げてもらえますか?」

そう言うとフェンさんが懐から手のひらに乗るぐらいの水晶玉を取りだした。


「掲げるだけでいいんですか?」

「はい、掲げるだけで大丈夫です。」

促されるがまま水晶玉に両手を掲げてみる。


両手が水晶玉に触れるか触れないかというぐらい近づけた時だった。

なんだか水晶玉の中にぼんやりと文字らしきものが浮かび上がってきた。


「これにて測定が終わりました

もう手を下ろして頂いてもかまいませんよ」


言う通りに手を下ろす。なんだか意外と呆気ないもんだな。


「ではセイン様の魔力値ですが……こ、これは?!

基礎魔力値が、ご、5万!!

すみません、どうやら測定水晶が壊れてしまっているようです、代わりを持って来させますので、しばらくお待ちください!」


「は、はぁ」


5万という数字がどうなのか分からないが、どうやら水晶玉が壊れていたみたいだ。


しばらくして若いこれまた某魔法使い映画で口からナメクジ吐いてそうな顔したやつが新しい水晶玉を持ってきた。


「では、改めまして

またこちらに先程と同じように手を掲げてください」


言われた通り手を掲げる。

また水晶玉に触れるか触れないかというところで数字が浮かび上がってきた。


「……や、やはり5万?!」

「あの、5万ってすごいんですか?」

「凄いなんてもんじゃありませんよ!!

帝国魔術師師団長でも3万程です!」


カミラさんも絶句している。


「セイン様!おめでとうございます!御当主様に報告してきます!!」


そう言ってカミラさんは駆け足で出ていってしまった。


俺の魔力量がすごいのは、分かったがこれからどうしたら良いのか。カミラさんが報告に行ったってことは親と初対面するのわけか、なんだか緊張するな……。


「コホン、セイン様の魔力値は並々ならぬもの。

そのため、魔法を扱う時は十分注意しなければなりません。

明日から私が、誠心誠意セイン様の家庭教師を努めさせて頂きます。」

では、私はこれにて失礼します。そう言ってフェンさんは部屋から出ていってしまった。


1人残された部屋で考える。

これって、よく聞く俺TUEEEEってやつだよな??

よしよしよし!!

この世界で自由気ままに暮らす為に必要な力は、手に入ったぞ!!

悪い顔をしてほくそ笑んでいると、遠くからパタパタと忙しない足音が近づいてくる。多分カミラさんだろう。


「セイン様!御当主様がお呼びです!

すぐ着替えて御当主様のお部屋へ参りましょう!!」






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