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砂の棺 if 叶わなかった未来の物語  作者: 天海六花
追われる者
20/71

追われる者 4

     4


「なんか嵐みたいだったね」

「ええ、全くです。あ、いえ! 迷惑ではないんですが!」

 キッチンの片付けを手分けしてこなしながら、カルザスとレニーは顔を見合わせ、同時に吹き出す。

 だがふいにレニーが真顔になった。

「それで……連中は怪しんでなかった?」

 念の為、声を潜める。

「ええと、旅人風の男性と女性ですよね? あのかた達は、本当にただの通りすがりだったようで、ブレスレットをひとつお買い求めになってすぐ帰られましたよ。レニーさんが出て行かれたことも、不審に思っている様子はありませんでした」

「そっか、思い過ごしか」

 レニーがようやく安堵したように胸を撫で下ろす。

「ホリィさんも一緒に行かせたこと、彼女は疑問に思われませんでしたか? 緊急のことだったので、とりあえず黙っていてくださるようにお願いしたのですが」

「うん。静かにしてくれてたよ。でもずっと黙ってるのも不安だろうから、ちょっとだけおれの昔のことを話した」

「え……じゃあホリィさんは……」

「大丈夫。暗殺者だとは言ってない。ちょっとした悪党だったって言っただけで、そして今でも追われてるってことだけ言ったんだ」

「ホリィさん、怯えないでしょうか」

「信じてくれるってさ」

 カルザスが小首を傾げると、レニーは彼の首を抱え込んで締め上げた。

「おれとあんたを信じてくれるってさ! 強くてまっすぐな子だよ。カルザスさん、あんたホントにいい子に惚れられたよね! このっ、このっ!」

「い、いたたたたっ!」

 カルザスはレニーのホールドから逃れ、痛む首を擦った。

「ホリィを幸せにしてやんなよ」

「あ、はい、その……僕も、少しですが以前より、ホリィさんに惹かれはじめているかもしれません。でも彼女にも了承を得ていますが、レニーさんの護衛が一番であることは揺るぎませんからね」

「ありがと。でもそれとなく惚気けたね?」

「ハッ……」

 カルザスが赤面する。

「あははっ! それでいいんだよ。さて、さっさと片付けちまおう。これじゃ、ホリィとハンナさんが入るスペースがないからね」

「はい」

 二人の謎多き男達は、賑やかで華やかな花二人を迎えるために、狭いキッチンを大急ぎで片付けるのだった。


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