夢は覚める。光が差し込む。
ある女子高校生の、高校生活を勉強漬けで過ごす話。
終わりの無い夢をみていた。
朝早くに布団から出て、冷たい水で顔を洗う。
まだ眠くて欠伸をすると、キッチンから呆れが混じる母の声が頭にキーンと響く。
私が席につくと同時に、とろけるチーズが乗っかったパンが置かれる。
のろのろと食べていると、いつの間にか時間が迫っていて、ゆっくり丁寧に髪を結んでから急いでブレザーを着る。
こんな慌ただしい朝のあとは、6時すぎぐらいまである授業。
授業が始まる前に教科書とノートを準備して、先生が来るまで友達とおしゃべり。
授業中は先生に消される前に、ただただ目の前の文字や記号の羅列を書き写す。
これじゃあ意味は無いと思っても、頭では別のことを考える。
時々眠すぎて授業内容をほとんど覚えていなくて、授業後にため息ついて一人反省。
友達に事情を話すと、みんな苦笑しながらノートを貸してくれる。
私はその様子を見て心が痛むことをいつも無視した。
家に帰れば、宿題が待っている。
ダラダラしていると、いつの間には日付は越える。
高校最初は宿題が終わるまでやっていたが、今では明日やれば良いと諦める。
そして家族が寝入った後は、お風呂に入る。
シャワーに打たれながら、らしくなく自分の行動を省みる。
ここで何度反省しようと、自分の行動は変わらない。
それでも今の状況にもがきたくて、涙を零す。
そうして、最後は決まって自分の価値を自問する。
明日なんてものは不確かなものだとみんなが言う。
けれど、未来のために勉強しろと大人は言う。
勉強しろ、勉強しろと言われるが、私だって勉強したい。
けれど、自分の血が嫌だと反抗する。
そんな葛藤を抱えて迎える高校三年生。
相変わらずのサボり癖は少しある。
それでも自分なりに頑張って努力をした。
授業中はできる限り頭を使い続け、考えることを止めないようにする。
自分の将来について真剣に考え始め、どこへ進学するか自分で決定する。
これで良いのか、このままで良いのか、毎日自問する。
いつの間にか、自分の価値について考えるのは止めていた。
夜に見る夢は、暗くて真っ黒な夢へと変化する。
高校二年生からずーっと、それに取り込まれているような気がする。
周りには誰も何も存在しない。
ただただその空間が広がる。
そして私は涙を流している。
何故泣いているのか分からない。
どんな気持ちかも分からない。
だから、止める方法が分からない。
すべてに決着がついた日、私の涙が止まる。
心も軽くなり、気分も良い。
すると、真っ黒な夢がにひびが入る。
隙間から光が差し込み、思わず目を細める。
目が慣れてきて隙間の向こう側を見ると、広い世界がそこにある。
先は見えないのに、早くそこに足を踏み入れたいと自分自身が叫ぶ。
少し迷ったが、私は自分自身に賭けてみる。
隙間を通ろうとすると、夢が音を立てて崩れていく。
振り返ると、上の方にキラキラ光る星星が目に入る。
まるで私を応援するように最後まで、星は綺麗に輝いていた。
また書きたくなったら、診断メーカーさんからお題もらいます。