コント:月が綺麗ですね
コントでも書いてみるか……
二人「「はいどーも」」
ボケ「私達『セクシャルハラスメント⭐ボーイズ』でやらせて頂いてますけどね」
ツッコミ「違いますからね、そんなコンビ名じゃないですよ、なんでこんな嘘つくんですかねこの男は」
ボ「名前だけでも覚えて帰ってください」
ツ「忘れて帰ってくださいね。そんな名前の漫才コンビ存在しませんから。
さて、突然ですがボケさん、貴方『月が綺麗ですね』って知ってます?」
ボ「え、そりゃあ月は綺麗ですよ?」
ツ「違う違う、これには別の意味がありまして。 『貴女を、愛しています』という、奥ゆかしい、愛を伝える表現なんですよ」
ボ「ほぅ奥ゆかしい」
ツ「こう言う文学的な告白、いいなぁと思って」
ボ「成程。じゃあツッコミさん、貴方『月が綺麗ですねオジサン』やって下さい」
ツ「『月が綺麗ですねオジサン』?」
ボ「私は『昆虫大好きオバサン』やりますから」
ツ「なんや『昆虫大好きオバサン』て」
ボ「昆虫が。大好きな。オバサン」
ツ「だろうね!それは知ってる!」
ボ「ダメですか」
ツ「ダメですよ、あと『オジサン』『オバサン』もダメ!『兄さん』『姉さん』とかで良いでしょ」
ボ「解りました、じゃあそれでやりましょ。
チリンチリン」
ツ「おや、どこからか風鈴の音が」
ボ「ホーホ・ホッホホー」
ツ「鳥も鳴いてる」
ボ「ホ……」
ツ「……いや、そこで鳴き声止まる鳥いるけど。
大分リアルを追求してるな。よし、じゃあ俺も。団扇をパタパタ」
ボ「夜でもまだ少し暑いね、ツッコミ君」
ツ「あ、女の子やってくれるんですね。
じゃあ私は男役を。
……そうだね、ボケ子ちゃん。
……やぁ、それにしても。
月が~……、綺麗ですね」
ボ「え、それって……?」
ツ「……うん、実はオレ、ボケ子ちゃんのこと……」
ボ「ねぇアソコ見て、トンボが交尾してるわウフフフ」
ツ「え怖い、突然なに!?お前誰や!」
ボ「え私?
私は、昆虫大好きオバサン……」
ツ「お前か!お前は出てこんでええ!
あっちの方で一人、トンボの交尾でも見てなさい!
全くもう……」
二「「台・無・し!」」
ツ「分かってるなら出すな!」
ボ「じゃあ今度は私がオジサンやります」
ツ「お兄さんな」
ボ「貴方はオバサン」
ツ「お姉さんな。
まあまあ良いでしょう、私がお手本見せますから。
チリンチリン」
ボ「パタパタ。
いやぁ、それにしても。
月が、綺麗ですね」
ツ「……えへへ、ボケ男君」
ボ「ん?」
ツ「実は私も、前からずっと……月が綺麗だなって、思ってました……!」
二「「……」」
ボ「……あれ?コレ俺の告白って伝わってないのかな?」
ツ「いやいや大丈夫、気付いてる伝わってるから」
ボ「ゴメン、ちゃんと1から説明するね、この場合の『月が綺麗ですね』は文学的意味で『貴女の事を愛しています』という物になり」
ツ「分かってるから無粋無粋お願いだから説明しないで下さい説明しないで説明すんな!
もう……」
二「「台・無・し!」」
ツ「だから分かってるならやるな!」
ボ「っていうかさぁ、返答が、まどろっこしいんですよ」
ツ「そんなことないですよ。じゃあ貴方は『月が綺麗ですね』って言われたら」
ボ「『私も好きー!ブチュー!』」
ツ「肉食女子過ぎる!怖いよそれは。
いやいや、コレはね、告白されてるのか解らない駆け引きを楽しむものでもあるんですよ」
ボ「そんなもんですか」
ツ「やってみましょう。チリンチリン」
ボ「パタパタ。いやぁ、それにしても。
月が綺麗ですね」
ツ「……えーっと……あ、じゃあ。
月の横に、一番星があるよね。
あの星と月。
……ボケ男君にとっては、どっちが、綺麗ですか?」
ボ「………ん~!………」
ツ「悩むな悩むな」
ボ「…………ん~!?………月も……捨てがたい……」
ツ「長い長い即答しろ即答、『捨てがたい』ってなんじゃ失礼な!
告白した側がなんで上から目線!」
ボ「あ、大きさ!大きさは月の方が大きいよね」
ツ「大きさは聞いてないの!どっちが綺麗か聞いてるの!私、『どっちが大きい?』って聞きました!?」
ボ「聞いてない」
ツ「聞いてないよな!言ってないもん!
『月と星どっちが大きい?』って、それはただのクイズだから!」
ボ「あーやっぱりまどろっこしい~だってよく考えてみて下さいよ?」
ツ「なんですか」
ボ「夜中に、二人で、月を眺めるような関係ですよ?」
ツ「……あれ?」
二「「それ、ほぼカップルやん」」
ボ「そんな関係で、告白の台詞が、『月が綺麗ですね』ですよ?」
ツ「……あれ?」
二「「ただの、ヘタレやん!」」
ツ「え、これ、じゃあ、どうすればいいんですか」
ボ「男なら、『お前が好きだー!ブチュー!』」
ツ「肉食系男子!これは良くないでしょ!」
ボ「『私も好きー!ブチュー!』」
ツ「と思ったら女子も肉食!なんの風流もない!肉食獣の宴!
なにコレ、どうすんのコレ!」
ボ「あの二人、まるでカマキリの交尾ねウフフフ」
ツ「またお前か!」
二「「昆虫・大好き・オバサン!」」
ツ「もういいよ!」
二人「どうもありがとうございました~!」
「死んでもいいわ」はスルー