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ママのお部屋にて……☆

登場人物


紫月 マナ

お腹一杯スッキリ女の子


紫月 ママ

何か企みマナのママ



「あうう……

もうヤダよぉ……

やめてよぉ……ママぁ」


「ウフフ。マナちゃん本当可愛い~。もっとアソコをアレちゃう~」


「あああ……恥ずかしいよぅ……」


 此処は紫月家の二階。紫月ママの部屋。部屋の中からなにやら、マナのなまめかしい声が聞こえる。


 猫足のアンティーク机やタンスが置かれ、床にはクマやウサギのヌイグルミやらが散乱している。パステルピンクの壁紙のお姫様みたいな部屋だ。

室内にはムーディーなお香の芳香が立ち込めている。


 マナは天蓋付きのお姫様ベッドに寝かされ、マナの上には紫月ママが馬乗りになり、マナの両腕を抑えている。

 ベッドからはみ出たマナの白くて細い脚が時折ピクッと跳ねる。


「ウフフ。マナちゃんは自分の事、男の子だなんて言ってるけどぉ」

紫月ママは眼を細め妖艶に微笑んでいる。

「ママにこんな事されて恥ずかしがっちゃってぇ。只の可愛い女の子じゃない」

紫月ママはマナの唇に何かを当て交いながら、マナの耳元で囁いた。

「ほら言うのよ~【私は只の可愛い女の子です】って言いなさいぃ~。言わないともっとアレしちゃうわよぉ」


マナは顔を赤らめ、潤んだ瞳を細めて言った。

「ううぅ……私は……只の……可愛い女の子ですぅぅ……」


紫月ママはニヤリと微笑み、


「ウフフお利口さんね~。はい、完成よぉ~」


紫月ママはマナの手を取りベッドから引き起こした。そこには……


 真っ赤の艶やかな口紅に、ピンク色のチーク。くりっと長い睫毛をカールされて淡い赤のアイシャドウ。ドーリィ(お人形的)メイクをバッチリと施されたマナが居た。

 その装いも、フリルのが沢山ついたフランス人形みたいなフワッとしたピンク色のワンピース姿だ。

 緋い瞳とキラキラ輝く碧色の髪も相まって、まるで精巧な等身大ドールの様になってしまったマナであった。


「ホンット可愛いわぁ~写真取らなきゃ~」スマホパシャパシャ

ウキウキの紫月ママ。

「ううう……恥ずかしいよぅ……」

顔を赤らめうつむくマナ。


 嫌な予感がしつつも部屋を訪れたマナであったが予感的中。紫月ママの着せ替え人形とされてしまったのであった。


「次はこの衣装よぉ~」

紫月ママはワードローブをごそごそと漁りながら言った。


「も、もうカンニンしてぇ……」

マナは涙目になりながら懇願したけど全く聞き入れてはもらえないのであった。


チャイナドレス

青い光沢のある質感のタイトなドレスはマナのスレンダーな体つきをはっきりと浮かび上がらせている。長いスリットからは白く細い太ももがちらり。

「ううう……ハズカシイ」


アオザイ

ベトナムの民族衣装である。白いタイトなロングドレスで、マナの白い下着が透けて見える。

「こ、これ透け透けじゃん……」


メイド服

黒色ミニのふりふりスカートに白いエプロン。正統派ではないコスプレメイド服だ。

「もう勘弁して下さいご主人様……」


スクール水着

紫月ママのお下がりなのか今は珍しい紺色の旧式スクール水着だ。霧吹きで濡らされた水着はピタッとフィットしマナのおへそやお胸の形を浮かび上がらせた。

「6の3?小学生用じゃんコレ……」


と次々に着せ替えられ、写真を撮られるマナ。紫月ママのテンションもどんどんおかしくなっていく。


「ハァハァ……次はコレを着るのよぉ」

マナが次に着せられたのは白いレースのサマードレスだった。細い肩ひものオフショルダーのワンピース。鎖骨と両肩が露出している。

「やっぱりシンプルなのが一番可愛いわぁ」パシャパシャ


 紫月ママの瞳がグルグル渦巻き、吐息を荒げながらマナに迫る。

「ハァハァ……マナちゃん……おへそのあたりまででいいからぁ」


 エロカメラマンと化した紫月ママがグイグイとマナに迫ってくる。

「スカートまくり上げてみない?ウフフフ~」


(ひぃぃぃ!もういやだぁ!)

貞操の危機を感じたマナ。紫月ママの欲求に耐えきれず、戸を蹴破り、脱兎の如く逃走したのであった。


「あ~ん!待ってぇマナちゃぁ~ん。って、あらあら?」


 紫月ママが、蹴破られた戸の下敷きになっている人物に気づいた。その人物はーー


 少し前の時間。紫月家の玄関をがらがらと開けて入ってくる一人の男。

「おはようございます。獅子は居ませんか。…………誰もいないのか?」

男はその高そうな革靴を脱ぎ、

「お邪魔します」

勝手にお邪魔するその男、白峰尚輝であった。白いワイシャツにネクタイを締め、スーツベストを着用した無駄にイケメン。この装いが尚輝の私服なのだ。

 腕を組み、フッとか不適に微笑みながら階段を二階に上がっていく。何故ならば紫月ママの部屋の隣が獅子の部屋だからだ。

「部屋にも居ないのか」

獅子の部屋を確認した尚輝は、しょうがない帰ろうかと思ったが、


(あっ……ああ……やめてぇ……許して……)

隣の部屋から聞こえる女の子の声に気付いた。

「むっ……この声は!?」

聞き覚えのある可憐な女の子の声を聴いた尚輝はシュババッっと紫月ママの部屋の戸の前に屈みこみ、片耳を戸に付けその声に全神経を傾ける。


(ウフフフ~マナちゃんのアソコこんなになっちゃってぇ)

(やめてよぉママァ……恥ずかしいよぉ)

戸を通して聞こえてくるなまめかしいマナの声。


「なん……だと……」

この部屋の中で一体何が行われて居るのだろうか?尚輝の神経が片耳に集中する。


(……次はコレをアレしてぇ~)


(ああっもうカンニンしてぇ……)


尚輝の鼻息が荒くなる。

「うむ……羨ま……いやさけしからん。実にけしからん……」

口ではそう言いつつも耳は戸から離せない尚輝であった。

パシャリパシャリとシャッター音が聞こえる。

「ま、まさか恥ずかしい写真を撮影……だと!?観た……イカン、イカンぞこれは。助けなくてはッ!いやしかしっだがしかしっ!」

耳を離さぬまま、何やら葛藤する尚輝。


「よし、あと3分経ったら助けに入るとし……ぐっほぉ!?」


尚輝がどうでも良い決意をした直後、マナは尚輝ごと戸を蹴破り部屋から逃走したのだった。


「あらあら~尚輝くん!?」


紫月ママに話しかけられ、戸の下敷きなっていた尚輝がひょっこり顔を出す。その鼻からは鼻血がダラダラ流れ……

「こんなところで何をやってるの~」

「フュッ、ひょっとれおにひょうじがありまひて……」

いつものように格好つけた感じで喋る尚輝であったが、その姿はそんなに格好良いものではなかった……


「尚輝くん、何言ってるかわかんなぁい」


ーー 


 一方その頃、逃走したマナは商店街通りまで来ていた。駄菓子屋の古びたベンチに座り一息つく。


「はぁ……酷い目にあった……こんなのこの先も続いたら精神が持たないよ」

憂いだ表情で辺りを見回すマナ。休日の商店街通り。お出かけの家族連れや、デートであろう男女が歩いている。


(良いお天気だなぁ。朝は寒かったけど今は暖かい)

白いサマードレス姿のマナは空を見上げて暖かな陽光を浴びながら思った。


マナが瞳を閉じて暫く瞑想していると、


「そこのアナタ」


マナに話しかける聞き慣れない女の子の声。マナが目を開けるとそこには……


 金髪の長い髪の女の子が立っていた。緑と青のオッドアイの瞳。長い耳。……長い耳!?


 その装いは丈の短いワンピースの上に胸当てを装着しマントを羽織っている。腰に付けたベルトには小さい布袋が幾つか着いており、鞘に収まった剣も装着している。まるで異世界の冒険者のようないでたちの女の子だった。


「見つけた」

その装いを見て驚いた表情のマナに女の子は微笑みながら話しかける。




「私達と同じ世界の人間……!」








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